「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」シーズン2第2話:史上初の大事件!ダリル衝撃行動の真意は
今週のウォーキング・デッド
「ウォーキング・デッド」の人気キャラクター、ダリル(ノーマン・リーダス)とキャロル(メリッサ・マクブライド)が登場するスピンオフの続編「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン シーズン2 -キャロルの書-」。第2話「ムーラン・ルージュ」では、キャロルが悲劇的な出来事に見舞われ、ダリルには史上初の大事件が起きる!(文・平沢薫)
※ご注意:本記事はネタバレを含みます。「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン シーズン2 -キャロルの書-」第2話をまだ観ていない方はご注意ください。
この世界では、善意から行動しても悲劇が起きる
キャロルが悲劇的な出来事に出会うのを見ると、胸を痛めつつ、やっぱり本作も本家「ウォーキング・デッド」(以下「TWD」)と同じ世界の物語なのだなぁと痛感してしまう。キャロルとアッシュ(マニーシュ・ダヤール)は、飛行機でグリーンランドに上陸。そこでずっと2人だけで暮らしてきた女性、イヌイットのイウンと氷河の研究に訪れた学生ハナに遭遇し、悲痛な出来事を体験する。
まず、ハナが、おそらくそこで生きていくためにだろう、イウンに精神的に支配されているのも悲しい。その束縛からやっと解かれたハナを、アッシュが、彼女がキャロルを殺そうとしていると誤解して、殺してしまうのも切ない。キャロルが、あえてアッシュに真相を伝えないという気遣いも胸を打つ。この世界では、善意から行動しても、誰のせいでもなく悲劇が起きる。かつてキャロルが幼い少女を殺さなくてはならなくなった「TWD」シーズン4題14話「正気な狂気」を思い出させる悲劇的エピソードだ。
第2話に登場したゲスト俳優2人は、出演時間は短いが強烈なインパクトを残す。イウン役は、日本人俳優の美波。父はフランス人、母は日本人で、近年は『おまえの罪を自白しろ』(2023)、『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(2023)に出演。ハナ役は、デンマーク出身のマリア・エルウォルター。NetflixのSFドラマシリーズ「1899」(2022)、ニコラス・ウェンディング・レフン監督のドラマシリーズ「コペンハーゲン・カウボーイ」(2022)などで活躍している。
ダリル衝撃行動の意図は?ノーマン・リーダス自身が分析
一方、ダリルにも「TWD」シリーズ史上初の衝撃的な出来事が起きる。それは、ダリルがキスをする、という大事件だ。"希望連合"が彼を裏切るというのも事件だが、これは想定内。それよりサプライズなのは、このキスだろう。ダリルは「TWD」でずっと恋人がなく、シーズン10第18話「俺をみつけてくれ」でやっとリア(リン・コリンズ)という恋人がいたことが描かれたが、キスシーンはなかった。
しかし今回、ダリルはイザベル(クレマンス・ポエジー)とキスをする。そのすぐ前に、2人は希望連合がダリルを抹殺しようとしたことを知り、イザベルはダリルに、彼が希望連合の本拠地ネストを去る時に、自分も一緒に行くと告げる。そこで2人はキスをかわす。これには、恋愛感情だけでなく、お互いに同志、仲間であることを確認し合う、という意味合いもありそうだ。
このキスについて、ダリル役のノーマンは「ダリルはこれまでキスをしたことがないから、その意味がわからない。彼にとって、実験みたいなものなんだ。これはどんなものなのか、どう感じるのか。そこに二塁に進もうという意図はない。恐る恐るカーテンを開けて覗いてみる、という感じだと思う」と Entertainment Weekly のインタビューで分析している。この後、2人の関係は変わっていくのか、それもこのシーズンの見どころになりそうだ。
そして、希望連合が少年ローラン(ルイ・ビュエシュ・シグリウッツ)に受けさせたがっている儀式の内容が判明。それは、彼がウォーカーに噛まれても変身しないことを確かめることだった。ローランの“特別な力”が何なのかは今も明かされていないが、彼がウォーカー感染者から生まれたことが、関係している可能性大。また、本シリーズのシーズン1第4話「鉄の女」でダリルが見た幻影の中で、ウォーカーたちがローランに危害を与えずに通り過ぎていたのは、彼のこの力を暗示しているのかもしれない。いよいよ、この儀式によってローランの力が明らかになるかもしれない。
そんな出来事を描きつつ、今回は希望連合のネストがある実在の世界遺産モン・サン・ミッシェル修道院を中心に置き、空と海を大きく映し出す広大な情景が、何度も画面に登場するのも印象的。夜明け、日中、日暮れと、それぞれの時間で色調が変わる光景のどれもが美しい。監督は、シーズン1中の4話を監督した英国人監督ダニエル・パーシヴァル。彼は他にフィリック・K・ディック原作のSFドラマ「高い城の男」などの監督を手掛けている。
さて今回も、ストーリーはサクサク進行した。キャロルは早くもパリに着き、アッシュと別れ希望連合と敵対する集団「生者の力」に参加する。また、シーズン1でダリルたちを見逃した生者の力の一員コドロン(ロメイン・リーバイ)が、リーダーのジュネ(アンヌ・シャリエ)に拷問されていることも判明し、希望連合のネストの位置はバレてしまいそうだ。すると、ローランを救助しようとするダリル一行と生者の力が、ネストで激突する? そこでダリルとキャロルが再会か!? 次回も何か大きな出来事が起きそうだ。
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