大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」キャスト・ビジュアル【一覧】
横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(2025年1月5日スタート、NHK総合よる8時~ほか)。大河ドラマ第64作となる本作は、喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴、東洲斎写楽らを世に送り出し、江戸のメディア王として時代の寵児となった蔦屋重三郎を主人公にしたストーリー。脚本を大河ドラマ「おんな城主 直虎」、NHKドラマ「大奥」シリーズなどの森下佳子、語りを綾瀬はるかが務める。本作のキャストを紹介します。
主人公
蔦屋重三郎(演:横浜流星)
江戸郊外の吉原の貧しい庶民の子に生まれ、幼くして両親と生き別れ、引手茶屋の養子となる。血のつながりを超えた人のつながりの中で育まれた蔦重は、貸本屋から身を興して、その後、書籍の編集・出版業を開始。時の権力者・田沼意次が創り出した自由な空気の中、江戸文化が花開き、朋誠堂喜三二などの文化人たちと交流を重ね、挿絵をふんだんにつかった書籍「黄表紙本」でヒット作を連発。33歳で商業の中心地・日本橋に店を構えることとなる。
吉原の人々
駿河屋(演:高橋克実)
吉原を代表する引手茶屋(客に女郎を紹介する案内所)“駿河屋”の主。両親に捨てられた、幼い蔦重を養子にして育てあげた。蔦重の商売に対する姿勢と才覚には一目置いている。
ふじ(演:飯島直子)
蔦重の義理の母。駿河屋の妻で、引手茶屋の女将。蔦重をはじめ身寄りのない子どもたちを育て見守る。実子である次郎兵衛を溺愛している。
次郎兵衛(演:中村蒼)
駿河屋の実子で蔦重の義理の兄。吉原に向かう手前の五十間道で茶屋の経営を任されてはいるが、実際の切り盛りは蔦重が行っている。トレンド、おしゃれに敏感。自由気ままな放蕩息子。
半兵衛(演:六平直政)
五十間道、茶屋・蔦屋の向かいにある蕎麦屋「つるべ蕎麦」の主。幼いころから蔦重や次郎兵衛を見守ってきた。
留四郎(演:水沢林太郎)
とあることがきっかけで、次郎兵衛が主の五十間道の“蔦屋”で蔦重と共に働くことになる。
唐丸(演:渡邉斗翔)
次郎兵衛の店、蔦屋で蔦重と共に働く謎の少年。
花の井(演:小芝風花)
老舗女郎屋・松葉屋を代表する女郎。のちに伝説の花魁、五代目・瀬川として名を馳せる。幼い頃に親に売られ、蔦重とともに吉原で育った幼なじみで、蔦重を助け、時に助けられながら、共に育った吉原の再興に尽力する。やがて、とある理由から長らく途絶えていた伝説の花魁の名跡“瀬川”を継ぎ、その名を江戸市中に轟かすこととなる。
松葉屋半左衛門(演:正名僕蔵)
代々、名妓(めいぎ)としてその名を江戸中にとどろかす「瀬川」を輩出してきた老舗女郎屋「松葉屋」の主。吉原の顔役であり、町の決めごとを取り仕切る。
いね(演:水野美紀)
代々、瀬川という伝説の遊女を輩出する老舗の松葉屋の女将。自身もかつて花魁であったが、主人に見初められ女将として見世の経営に携わる。四代目・瀬川とは同年代であり、いつしか花の井に瀬川の名跡の “或るいわく”について語る。
うつせみ(演:小野花梨)
松の井、花の井に次ぐ女郎。「呼出」の下のランクにあたる「座敷持ち」に位置し、客を接待するための座敷を持つ中堅。花魁道中は行わないが、禿(かむろ)や振袖新造(ふりそでしんぞう)がついて身の回りの世話をする。とある出会いがきっかけで人生が大きく変わることになる。
松の井(演:久保田紗友)
当時最高級の花魁である「呼出」のトップで、花の井の先を行く存在。客からの指名を受けると禿(かむろ)や振袖新造(ふりそでしんぞう)を従えて引手茶屋まで客を迎えに行く花魁道中を行う。
とよしま(演:珠城りょう)
松葉屋、いねのもとで、禿(かむろ)や振袖新造(ふりそでしんぞう)の教育係である「番頭新造」を務める姉貴的存在。今は花の井について、身の回りの世話も務める。
りつ(演:安達祐実)
女郎屋・大黒屋の女将として、駿河屋、松葉屋、大文字屋、扇屋らとともに吉原を取りまとめ、蔦重の後見となる。のちに女郎屋を廃業し、芸奴の見番となったあとは、蔦重が手がけた「富本本」や「浄瑠璃本」の出版に大きな影響を与えることになる。
扇屋宇右衛門(演:山路和弘)
松葉屋と共に吉原を取りまとめる女郎屋「扇屋」の主。「墨河」という号を持ち、俳句、和歌、画などをたしなむ教養人で女郎たちにも和歌や書を習わせ、花扇、滝川といった名妓を育てた。
大文字屋市兵衛(演:伊藤淳史)
新興勢力の女郎屋「大文字屋」の主。経費削減のため、女郎に安いカボチャばかり食べさせたことから“カボチャ”のあだ名を持ち、ドケチとして知られる。
志げ(演:山村紅葉)
大文字屋の遣手で誰袖のお目付け役。蔦重に想いを寄せる誰袖の恋の行く手を阻む。
きく(演:かたせ梨乃)
吉原の最下層の女郎屋「河岸見世」、「二文字屋」の女将。かつては吉原の女郎であり、年季があけて場末の女郎屋の経営を任されている。己の欲や利益だけを考えている忘八(引手茶屋や女郎屋の経営者)たちとは違い、最下層で生きる女たちに手を差し伸べようと尽力する蔦重に心を動かされる。
朝顔(演:愛希れいか)
幼少期の蔦重と花の井に赤本(子ども用の絵本)を読み聞かせ、蔦重が本の世界の楽しさを知るきっかけとなった元・松葉屋の花魁。いまは体を壊し、きくのもとに身を寄せている。
ちどり(演:中島瑠菜)
行き場を失い河岸見世に転落した女郎。なじみの客でかろうじてにぎわう老舗女郎屋に比べ、市中の岡場所(非公認の遊郭)に客を取られ、客足の遠のいた河岸見世では、常に貧しさと病が蔓延している。そこで一人の女郎に命を救われることになる。
志津山(演:東野絢香)
玉屋の座敷持ち。蔦重が初めて作った本であり、吉原の店や女郎から協賛金を集めて、吉原名うての女郎たちを花に見立てて紹介する限定本「一目千本」で、「葛の花」として見立てられる。
絵師・版元・地本問屋
須原屋市兵衛(演:里見浩太朗)
日本橋の中心地に店を構え、漢籍や学術書、辞典などを扱う大手本屋の商人でありながら、平賀源内や杉田玄白などが書いた新しい本を数多く出版する個性的で革新的な版元(出版人)。幕府の弾圧を逃れながらも「解体新書」や「三国通覧図説」など世の中を変える本を次々と出版する。
鱗形屋孫兵衛(演:片岡愛之助)
大人向けの絵本・黄表紙「金々先生栄花夢」で黄表紙のパイオニアとなった、江戸を代表する日本橋(現在の中央区)や深川(現在の江東区)の地本問屋の主。蔦重に初めて本格的な本づくりの仕事を任せるなど、商売の基礎を指南する。やがて蔦重が本格的に本屋業に乗り出すとライバル関係となり、激しい争いを繰り広げていく。
鱗形屋番頭 藤八(演:徳井優)
鱗形屋孫兵衛を助ける番頭。先代のころから鱗形屋を支えてきた。明和の大火事で多くの板木を失い、経営的に厳しくなった店を立て直すために、とある策を思いつく。
鶴屋喜右衛門(演:風間俊介)
鱗形屋孫兵衛や西村屋与八らをまとめる江戸市中の地本問屋のリーダー的存在。新参者の蔦重と対立する。草双紙や錦絵で多くのヒット作を出版するとともに、山東京伝など若い才能を見いだしプロデュースし、一時代を築く。
西村屋(演:西村まさ彦)
宝暦のころ(1750年代)から錦絵を手がけ、鈴木春信などの有名な絵師ともつながりを持ち、一代で江戸を代表する地本問屋に。蔦重、呉服屋といわゆるタイアップした吉原の女郎をモデルにした錦絵のシリーズ「雛形若菜初模様」を共に手がけ、やがて蔦重のライバルとして江戸の出版界を共にけん引していくことになる。
小泉忠五郎(演:芹澤興人)
蔦重が吉原細見の改め(最新の情報を収集し、それを元に原稿の編集作業を行うこと)の仕事を始める以前から、改めの仕事を請け負っていた。版元として吉原細見「松のしらべ」などを出版し、蔦重と競い合うように改めの仕事を続ける。
平賀源内(演:安田顕)
本草家、戯作者、鉱山開発者、発明家。先進的なアイデアを次々と思い浮かべては実現のため日本各地を巡り、成功と失敗を繰り返し、ときに山師ともよばれる。その発想に田沼意次もほれ込み、特命を託すほど。江戸の有名人になっていた彼に、地元・吉原に再び客を呼び寄せようとする蔦重が仕事の依頼をすべく接触を試みる。
小田新之助(演:井之脇海)
御家人の三男坊として生まれたが、とある理由で出奔。平賀源内と共に炭売りをしながら長屋で暮らしている。蔦重に連れられて案内された松葉屋で、うつせみと運命の出会いを果たす。
平秩東作(演:木村了)
平賀源内の商売仲間。内藤新宿の煙草屋を営む一方、炭焼きや材木商などさまざまな事業を手がける山師である一方、戯作者・狂歌師の顔も持ち、大田南畝とも親交がある。のちに意次の蝦夷地開発のきっかけをつくることになる。
鳥山検校(演:市原隼人)
当時吉原一の花魁といわれた瀬川を1400両で身請けをした男。検校は盲人に与えられた最高位の官位のこと。幕府の許しを得て高利貸しを行い、多額の資産を築いていた。金の力ですべてを手に入れるも唯一、妻・瀬川の心だけは自分のものにできず、そこに蔦重の存在を感じ取る。
朋誠堂喜三二(演:平沢常富/尾美としのり)
のちに蔦重にとって最高かつ最大の協力者となる戯作者。出羽国久保田藩(秋田藩)の藩士で、江戸城の留守居(いまでいう外交官)を務める。情報交換の場として吉原に出入りすることが多く、「宝暦の色男」の異名をもつ。奇想天外な大人の童話、歌舞伎の筋書きをもじったパロディーなど洒落、滑稽、ナンセンスを盛り込んだ戯作を数多く発表し、手柄岡持(てがらのおかもち)という名で狂歌も発表する。
勝川春章(演:前野朋哉)
葛飾北斎の師匠で、当代一の役者絵師。蔦重が手掛けた「青楼美人合姿鏡」を北尾重政とともに描いた。のちに葛飾北斎など多くの弟子を抱え、役者似顔絵を得意とする勝川派の代表となり、喜多川歌麿の「美人画」や写楽の「大首絵」に大きな影響を与えることになる。
北尾重政(演:橋本淳)
本屋の息子として生まれ、本に囲まれた環境に育ち、絵師としての才能を開花させる。門人も多く、喜多川歌麿を弟子のように育てたともいわれる。美人画、役者絵の絵師として人気を誇る一方で版本挿絵の仕事も晩年まで続け、蔦重出版物の多くに関わることとなる。蔦重との最初の仕事は「一目千本」。
磯田湖龍斎(演:鉄拳)
蔦重が企画して、西村屋与八と共に出版した「雛形若菜初模様」の絵師。吉原の女郎たちに新しいデザインの着物を着せて描いた雛形本の浮世絵版の先駆けとして、当時の女性たちの関心を集めることになる。
幕臣
田沼意次(演:渡辺謙)
類まれな才能と実行力で、足軽出身の出自から遠江相良藩(現在の静岡県牧之原市)の五万七千石の大名に昇りつめた人物。米による幕府の財政運営に限界をおぼえ、金を動かしてこそ“経済がまわる”商業重視の政策に方針を大転換。印旛沼の干拓、蝦夷地の開発、優秀な人材を幕政に積極的登用し、新しい世を創り始める。
田沼意知(演:宮沢氷魚)
田沼意次の嫡男。若くして若年寄に昇進し、異例の出世をとげる。意次が着々と実行してきた改革をより推進し、政治的手腕を発揮、蝦夷開発にも積極的に携わっていく。また、江戸の町を度々見聞するなど好奇心旺盛な一面も持つ。父・意次の正統な後継者と思われていた矢先、江戸城内で予期せぬ事件に巻き込まれてしまう。
長谷川平蔵(演:中村隼人)
のちの“鬼平”。青年時代は風来坊で「本所の銕」と呼ばれ、遊里で放蕩の限りを尽くしたという逸話も持つ。老中・松平定信に登用され「火付盗賊改方」を務め、凶悪盗賊団の取り締まりに尽力。その人柄も相まって庶民から「今大岡」「本所の平蔵様」と呼ばれて絶大な人気を誇った。
三浦庄司(演:原田泰造)
備後国福山藩(現在の広島県福山市)出身の農民から田沼家の用人となった人物。意次の側近として、意知、松本秀持とともに政策を立案主導していく。
松本秀持(演:吉沢悠)
身分の低い家柄であったが、田沼意次に抜てきされ勘定奉行となり、印旛沼・手賀沼の干拓事業や経済政策などに従事。また蝦夷地調査を意次に上申し、調査隊を派遣する。
松平武元(演:石坂浩二)
吉宗、家重、家治の将軍三代に仕え、家治からは「西の丸の爺」と呼ばれ信頼された老中首座。上野国館林藩主でもあり、その官位から「右近将監(うこんのしょうげん)」様と呼ばれ、敬愛される。
徳川家
高岳(演:冨永愛)
大奥総取締。田沼意次、松平武元と並び幕府の実権を握る大奥の最高権力者。賢丸の妹の種姫を十代将軍・家治の養女として迎え、家治の嫡男・家基の正室とするよう画策する。
徳川家治(演:眞島秀和)
十代将軍。九代将軍・家重が言語不明瞭で体が弱かったため、八代将軍・吉宗の英才教育を幼いころから受けてきた。家重の遺言に従い田沼意次を側用人に重用し、松平武元らとともに政治に励んだ。趣味の将棋を通じて意次との絆を深めたといわれる。
徳川家基(演:奥智哉)
幼いころより聡明で政治に関心を持つようになってからは田沼意次の政策を批判。十一代将軍として将来を期待されるが、鷹狩に出かけた折に体調不良を訴え、謎の死を遂げる。
知保の方(演:高梨臨)
家治の側室。家治は正室・五十宮との間に永らく子ができなかったが、側室を持つことを拒み続けていた。しかし意次の強い後押しで家治の側室となり、家基を出産。長子出産の功労から「老女上座」の格式を賜った。
一橋治済(演:生田斗真)
八代将軍・吉宗の後継者対策に端を発して作られた「御三卿」の一つである一橋徳川家の当主。吉宗の孫にあたり、十代将軍・家治はいとこ。次々と将軍後継者が早世する中、息子・家斉が十一代将軍となり、やがて将軍の父として富と権力を握る。
田安賢丸(のちの松平定信/演:寺田心)
「御三卿」の一つ、田安徳川家の七男。幼少期より聡明で、兄たちが体が弱かったため、若くして田安家の後継者、10代将軍・家治の後継と目されていた。陸奥白河藩の養子にむかえられ、幕政の中心から遠のくも、田沼意次の失脚後は11代将軍・家斉の命で老中となり、寛政の改革を行う。寛政の改革では、風紀の取り締まりから蔦重に厳しい処分を科すこととなる。
田安治察(たやすはるあき/演:入江甚儀)
8代将軍・吉宗の後継者対策に端を発して作られた「御三卿」のひとつ田安徳川家の当主で、賢丸の兄。
法蓮院(演:花總まり)
田安徳川家初代当主・宗武の正室。賢丸を、白河松平家の名君、寛政の改革を行った老中となるまでに育てる。宗武の七女・種姫を次期将軍となる家基の正室にするため、十代将軍・家治の養女として送り込む。
大崎(演:映美くらら)
家斉の乳母。家斉の将軍就任後、大奥で絶大な権力を持ったといわれる。
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