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【ネタバレ解説】「デアデビル:ボーン・アゲイン」第4話:復活のパニッシャー、デアデビルと衝突!

 昼は弁護士、夜はクライムファイターのヒーロー・デアデビルを描くマーベルドラマ「デアデビル:ボーン・アゲイン」の第4話「司法にはかくあるべし」が配信された。今回は、“処刑人”パニッシャーがついに登場! 悪役・ミューズも姿を見せる。(文・平沢薫)

※ご注意:本記事はネタバレを含みます。「デアデビル:ボーン・アゲイン」第4話をまだ観ていない方はご注意ください。

おぞましいマスク…謎の敵・ミューズ登場

 オープニングタイトル開始の直前、これまで壁画の形で存在を匂わせてきた新たなキャラクター・ミューズがついに出現。デアデビル/マット・マードック(チャーリー・コックス)の強敵になるに違いないこのキャラは、グラフィティアーティストにしてシリアルキラー。今回、初めて見せた顔は、コミックと同じ、白いマスクに眼から血のような涙を垂らしている。彼が死体または意識のない人体を抱いて運んでいるところを見ると、コミック同様、ドラマでも人間の血や肉を使ってアート作品を描くという設定のようだ。さっそく俳優名が知りたくなるが、今回のキャストクレジットには、ミューズ役の記載はない。俳優名が判明するのは次回以降になりそうだ。

 ドラマには、彼がこれまで描いたキングピン/ウィルソン・フィスク(ヴィンセント・ドノフリオ)やパニッシャー/フランク・キャッスル(ジョン・バーンサル)のグラフィティが再登場し、さらに新たに故ホワイトタイガー/ヘクター・アラヤ(カマール・デ・ロス・レイス)に捧げたグラフィティも登場。その画の、ホワイトタイガーのマスクの背後に、虎の眼と、天使の翼のようなものが配置された構図には、彼への追悼と敬意が込められているように見える。

 また、ホワイトタイガー関連では、彼の姪アジェラ・デル・トロカミラ・ロドリゲス)が登場。コミックでは、彼女が二代目ホワイトタイガーになる。マットが遺体から引き取ったホワイトタイガーのアミュレット(護符)は、遺品として彼女に渡されたに違いない。

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 そして、我らがダークヒーロー・パニッシャーが帰還。彼は、元・海兵隊武装偵察部隊所属で、現在は犯罪者を抹殺し続ける過激なヴィランテ。「Marvel デアデビル」シーズン2(2017)の主要登場人物で、彼が主人公の「Marvel パニッシャー」(2017~2019)も製作されている。マットとは旧知の中で、彼がマットを「レッド」というニックネームで呼ぶのも、これまでと変わらない。マットが彼と話し、前話のラストでホワイトタイガーを撃った人物はパニッシャーと同じTシャツを着ていた、パニッシャー本人ではなかったことが判明した。

 ちなみに「デアデビル:ボーン・アゲイン」のクリエイタートリオの一人、ダリオ・スカーダペインは、「Marvel パニッシャー」の製作総指揮と脚本にも参加しており、パニッシャーのハードコアな性格はこれまでと同じ。彼に、心の底では復讐を望んでいるはずだと問い詰められたマットは、心が揺れる。

マットとフィスク、両方が「司法制度」の不完全さを痛感する

 また今回は、マットとフィスクの両方が、司法制度の不完全さを痛感するドラマでもある。マットは、パニッシャーに、親友を殺した犯人を司法の手に委ねたせいで、彼が今も生きていることに満足なのかと問われて、即答できない。また、ポップコーンの窃盗犯の弁護を務め、彼が貧しさゆえの窃盗により30日間拘束され、そのせいで生活保護の面接に行けず、保護が受けられなくなり、より困窮していることを知り、司法制度の弊害に思い悩む。

 ちなみにこの窃盗犯との会話にさらりとMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)とのリンクが登場。窃盗犯は盗みを「スクラル人の仕業だ」とウソをつく。スクラルは『キャプテン・マーベル』などMCUに登場する異星人。ドラマ「シークレット・インベージョン」(2023)で、地球に彼らの一時的な居住地区が設置されたことが描かれた。このドラマの時点では、誰もが彼らの存在を知っているようだ。

 一方、NY市長となったフィスクも、犯罪地帯となっている埠頭を新たに開発する計画を立てるが、その実現のためには煩雑な手続きと議会の承認が必要なことを知り、不満を抱く。また、市長として各種の形式的催事に参加しなくてはならず、そこでいつも同じ歌、スターシップの1985年のヒット曲「シスコはロック・シティ」を聞かされることにうんざりする。

 また、今回はフィスクの切ない心情も描かれる。彼は不出来な部下ダニエル(マイケル・ガンダルフィーニ)の情報リークに怒るが、ダニエルが彼に絶対的な忠誠心を抱いているのを知り、「人は当てにならない生き物だが、忠誠心と勇気には意味がある」と言って、彼をクビにしない。この判断が、フィスクがこれまで人々に裏切られ続けてきたことを思わせて切ない。

 そして、フィスクが妻バネッサ(アイェレット・ゾラー)の浮気相手アダム(ルー・テイラー・プッチ)を地下に幽閉していることも判明。妻にアダムを殺していないと言ったのはウソではなかったが、やはりフィスクの性格はこれまでと変わらない。この部屋に、フィスクとバネッサが出会った時の思い出の絵画、「Marvel デアデビル」シーズン1第3話「吹雪の中のウサギ」の白い絵画が飾ってあるのも切ない。

 ラストのマットとフィスクを対比的に描く演出も、本シリーズ第1話のエンディングに呼応したもの。第1話ではフィスクが屋上に立ち、マットが路上を歩いていたが、今度は位置が逆。両者ともに悩みを抱きつつ、マットは階段を登り、フィスクは階段を降りる。マットは捨てていなかった愛用の武器ビリー・クラブでトレーニングし、フィスクは豪華な食事を見せつけて、牢屋に閉じ込めた恋敵をいたぶる。2人の対比が際立つ演出だ。

 さて、ストーリーには、今後への布石があちこちに。冒頭でホワイトタイガーの姪がマットに問いかけた「叔父はいったい何に巻き込まれたの?」という疑問は、未解決のまま。ホワイトタイガーを撃ったのは何者なのか。そして、ミューズは何をしようとしているのか。マットの恋人ヘザー(マルガリータ・レヴィエヴァ)が、フィスク夫妻のカウンセラーをしているのも気になる。さらに、次週は、第5話&第6話が一挙放送。いよいよドラマが大きく動き出しそうだ。

「デアデビル:ボーン・アゲイン」ディズニープラスにて独占配信中

(c) 2025 Marvel

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