名匠ガス・ヴァン・サント監督に拍手!
第59回カンヌ国際映画祭
仏で開催中のカンヌ国際映画祭で24日深夜、ガス・ヴァン・サント監督のデビュー映画『Mala Noche』が、「監督週間」部門で特別上映された。
同作品は、サント監督が1985年にモノクロの16ミリフィルムで撮った78分の長編。米国では1987年に米国の批評家が選ぶ「ベスト・インディペンデント・フィルム」を受賞しているが、仏での未公開とあって今回の上映が決まった。
同作品はウォルト・カーティスの同名小説の映画化で、ホモセクシャルのウォルトがジョニーというメキシカンの青年と恋に落ちる。しかし両者は言葉が通じず、戸惑いながらも互いの距離を縮めていくという、サント監督らしい作品となっている。
サント監督と言えば、2003年に『エレファント』でパルム・ドールを受賞したことも記憶に新しい。会場にサント監督が姿を現すと、観客全員が敬意を表してスタンディングオーべーションをする熱狂ぶり。上映後も拍手に包まれ、サント監督はトレードマークのピンク色の頬をさらに赤く染めながら、観客に笑顔を振りまいていた。
ちなみに同映画祭では、すべての部門共通して新人監督を対象とした「カメラ・ドール賞」を設けているが、「残念ながらサント監督の作品は、その対象になっていません(笑)」(「監督週間」スタッフ)とのこと。
その代わりと言っては何だか、今年の「監督週間」には、フランス俳優メルヴィル・プポーの初監督作『メルヴィル』(原題)と、イタリア俳優キム・ロッシ・スチュワートの初監督作『Anch Libero Va Bene』も選出され、メインのコンペティション部門に負けず劣らず、個性豊かなラインナップになっている。