故・深浦加奈子さんの遺作上映、ギネス認定女優の菅井きんもしんみり…
第21回東京国際映画祭
23日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで第21回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」に出品されている映画『ぼくのおばあちゃん』の公式上映が開催され、主演の菅井きん、吉原拓弥（子役）、伊澤柾樹（子役）、そして榊英雄監督が舞台あいさつを行った。
長年、名バイプレーヤーとして活躍してきた現在82歳の菅井にとって、おばあちゃんを演じた本作は意外にも初の主演作であり、先日、世界最高齢映画主演女優としてギネス記録に認定されたばかりだ。この大記録に「本当に信じられないこと。ただ続けてきただけなんですよ」と語る菅井は「あとどのくらいやれるかわかりませんが、最後まで演技をしていきたい」と生涯現役を宣言。孫を演じた吉原、伊澤に囲まれ、本当にうれしそうな笑顔を見せる菅井だった。
菅井らキャストや榊監督にとっては、この作品に出演した深浦加奈子さんが今年8月に急死するという悲しい出来事もあった。舞台あいさつの最後に、榊監督は「深浦さんにはいいお芝居をしていただき、こちらもパワーをもらった。今もどこかで見ていてくれていると思う」と哀悼のコメント。このときばかりは、菅井も少しうつむきしんみりとした表情を浮かべていた。
『ぼくのおばあちゃん』は家庭を顧みないサラリーマン（岡本健一）がある出来事をきっかけに、心優しい祖母（菅井）と過ごした少年時代を思い出し、家族とのきずなを見つめ直すという感動のヒューマンドラマ。亡くなった深浦さんは、主人公の少年が通う商店街の八百屋のおかみさんを演じた。
映画『ぼくのおばあちゃん』は12月6日よりテアトル新宿ほかにて全国公開