超能力者の刑事役?トミー・リー・ジョーンズまたもハマリ役!
第59回ベルリン国際映画祭
2月7日夜(現地時間)、ベルリン映画祭でワールドプレミアが開催される映画『イン・ザ・エレクトリック・ミスト』(原題)の会見が行われた。コンペティション参加作でもある本作では、若い女性の殺人事件を追ううちに、その土地の暗い過去にまでかかわってしまう刑事をトミー・リー・ジョーンズが演じている。
昨年のアカデミー賞で作品賞などを受賞した、主演作映画『ノーカントリー』をはじめ、渋い刑事、捜査官といった役どころがピタリとはまるジョーンズ、本作では過去とつながることができる超能力まで備わっている。それが本物か、それとも霧の立ち込めるあやしい湖が見せる幻影か、はたまたアル中気味の刑事が見ている幻覚なのかは、最後に明かされる。
残念ながら会見にジョーンズの姿はなく、敵役を務めるジョン・グッドマン、ベルトラン・タヴェルニエ監督、カメラのブルーノ・デ・ケイゼンの3人が質問に答えた。ジョーンズについてベルトラン監督は「俳優というのは自分の役をやるだけでなく、その場面をいいものにしようといろいろするものだが、そういった意味でジョーンズは大きく貢献してくれた。釣りのシーンなんて、ほとんど彼の案だよ」と名優ぶりをたたえた。一方ジョンは「良かったのは家から現場が近かったことさ。3時間くらいで着くからね」と言い、ハリケーンの傷あとが残った風景については「ハリケーンはいつものことだから慣れたものさ」とどんな質問にも冗談とも本気ともつかないような調子で答え笑いを誘った。ジョーンズ不在とわかると早々に引き上げる記者の姿も目立ったが、どこからか鳴り出した携帯電話の着信メロディーに合わせ体をゆすって笑いを取ったり、ジョーンズについて話すベルトラン監督の隣でニコニコと相づちを打ったりして、主役不在の穴を埋めていた。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)