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『おくりびと』ニューヨークで上映され高評価!本木雅弘と監督に現地インタビュー!

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『DEPARTURES』(『おくりびと』の英題)のポスターの前で本木雅弘と滝田洋二郎監督-ニューヨーク、トライベッカ映画祭にて
『DEPARTURES』(『おくりびと』の英題)のポスターの前で本木雅弘と滝田洋二郎監督-ニューヨーク、トライベッカ映画祭にて - Photo:Nobuhiro Hosoki

 アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『おくりびと』が、ニューヨークで開催されているTribeca Film Festival(トライベッカ映画祭)に登場し、その宣伝を兼ねて日本から訪米した滝田洋二郎監督、本木雅弘がインタビューに答えてくれた。

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 開口一番、本木は、「あの山形の小さな話が、世界中に届く不思議さ。映画は、世界共通語と改めて実感させられました」と語った。

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 滝田監督にアメリカ人にどういった部分を見て欲しいか聞いてみると「この映画を撮ったとき、きわめて日本的な話だし、正直海外は意識していなかったんです。今回、こんな流れになって(アカデミー賞外国語映画賞受賞)、改めて映画の力を再認識して、それと同時に、日本の映画をうまく撮り切れたかも不安に思っていたんですよ。ですから、アメリカ人の方々には、ありのままを見ていただきたいと思っています。どこが違うのか、どういう風に感じるのか、全く日本と同じようなリアクションがいただけるか、むしろその辺がすごく興味がありますね」とアメリカ人のリアクションが気になっていることを明かした。

 本木が、青木新門の「納棺夫日記」に感銘を受けたことから映画の制作は出発しているが、あくまで構成は脚本家の小山薫堂のたまものと語る本木は「企画段階でプロデューサーの中沢さんと話した中では、テーマがテーマだけに、最初は、インディペンデントのドキュメンタリー、どちらかというとアート映画みたいな方向性も考えていたんですよ。それでも、どうせ観ていただくなら、沢山の方々に見て欲しかったので、ブラックユーモアを描ける滝田監督を中沢さんに薦めたんです。ただ、脚本家を選ぶときに、マニアックな作品にするのは簡単なのですが、多くの方々にこのテーマを見てもらうという挑戦をするため、テレビのバラエティなどで放送作家として活躍して、視聴者としての感性を持ち合わせている小山さんが適任だったんです」(小山は人気番組『料理の鉄人』などの作家だった)

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 また、本木はオスカーでの珍話にも触れ、「アカデミー賞の中で、誰が受賞をするかというのは、投票を準備した2名しかわからないはずなのですが、放送するにあたって、カメラが受賞しそうな人たちの近くで事前にスタンバイしているんですよ。それまでの受賞者を見ている限りでは、そんな感じだったんです。そして、外国語映画賞の発表をする前に、イスラエルの作品の映画『戦場のワルツ』の監督の前で、スタンバイされていたので「やっぱり(自分たちの受賞は)ないなぁ」と思って、拍手する気持ちで用意していたんですよ。そしたら、僕らが呼ばれたんです。後でその呼ばれた瞬間を見ると、僕らの表情がカメラに撮られていないんですよ。ロング・ショットでしか……(笑)。喜んで立って監督の滝田さんに抱きついて離れたときに、そこでようやく僕らが映し出されたんですよ(苦笑)」と本木はオスカー体験の秘話を教えてくれた。

 確かにあの時点での『おくりびと』は、ごく一部のアメリカの映画関係者しか鑑賞しておらず、かなり不満の選考だと首をかしげる人たちもいたのだが、このトライベッカ映画祭のプレス用の試写も含め、現在はこの『おくりびと』こそ、オスカーにふさわしい作品だという声に変わり始めている。一か月後のアメリカ一般公開もきっと期待できるに違いない。(取材・文:細木信宏 Nobuhiro Hosoki)

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