カンヌ正式出品作に現役芸大生!『KARAOKE』のサウンドデザイン森永泰弘氏
第62回カンヌ国際映画祭
東京芸大大学院映像研究科博士課程3年に在籍している森永泰弘氏がサウンドデザイン(音響監督)を務めたマレーシア映画『KARAOKE』が現地時間21日、第62回カンヌ国際映画祭・監督週間部門で公式上映された。
同作品は、友人の手伝いでカラオケビデオを制作するために故郷のある椰子農園に戻った青年が、育った村の魅力を再発見するも、一方で母親は故郷を離れる決意していたという、普遍的な家族の物語だ。森永氏は、本作のクリス・チョン・チャンフィ監督と2006年秋に韓国・釜山映画祭で出会ったことがきかっけで、製作に参加することになったという。
森永氏は「編集をタイで行ったため、何度も日本と行ったり来たりして大変でした」と振り返る。そんな苦労をかけた森永氏に対し、監督をはじめ製作会社は今回の「カンヌ招待」というご褒美をくれたのだという。
観客と一緒に観賞した森永氏は、上映後の大拍手を聞いて、周囲のスタッフとガッチリ握手。森永氏は「緊張しましたね(苦笑)。音はわざと悪くして、観客が主人公たちと一緒にカラオケルームにいるような感覚になるようにしたつもりです。上映がうまくいって、本当に良かった」と顔を高揚させながら語った。チャンフィ監督も「彼の事は以前からよく知っているけれど、今回も素晴らしい仕事をしてくれた」と森永氏の仕事ぶりを讃えていた。
なお、本作はカメラ・ドール賞(新人監督賞)の対象となっており、現地時間24日に賞の行方が発表される。(取材・文:中山治美)