わいせつ写真流出で香港映画界引退…単身アメリカへ!エディソン・チャンに独占インタビュー!
2008年に起こったプライベート画像流出事件で、香港映画界から引退を表明したエディソン・チャンが、現在撮影中のアメリカ映画『Almost Perfect』(原題)のセットで、インタビューに応じた。本作は30代のキャリアウーマン(ケリー・フー)が、せんさく好きの家族とボーイフレンドのはざまで、苦戦しながらも恋を成就しようとするラブ・コメディー。エディソン・チャンは、ケリー・フーの弟を演じる。
エディソン・チャンはアメリカを拠点に活動しようと思った一番の理由を「香港作品は政府からの規制が多くて、クリエイティブな製作ができないんだ。それに去年の僕のスキャンダルもある」と語る。
そのプライベート画像流失事件について「数えきれないほど多くのことを学んだよ。あの困難な体験が、俳優としても、人間としても、これからの自分をよりよい人物にして、成長させてもくれた。あの後すぐに僕のことを誰も知らないロサンゼルスに移って、スターではなく久しぶりに人として現実に戻った気になった。そんな静かな環境はこれまでの僕にはなかったから……。香港では自分でゴミを捨てただけで“チープな俳優”とたたかれるんだよ。まあ、ゴシップもメディアだけの責任ではないと思うけど。結局それを買う人がいるから、成り立っているわけだからね」と心境を明かす。さらに「香港の映画関係者が、クリエイティブであっても、映倫の規制があり過ぎるんだ。そして次に、僕のスキャンダルで、香港では身動きが取れなくなってしまい、その場から離れなければいけないと思ったんだ。だから、自分が活動するために、まず、アメリカで機会を与えてもらうために来たんだよ」と香港の映画関係者にも敬意を払った。
本作は、ほとんどがアジア系俳優で構成され、監督もバーサ・ベイ=サ・パンというアジア系女性監督だ。アメリカ映画にもかかわらず、アジア人ばかりのセットでの撮影に違和感はなかったのだろうか? 「確かにアメリカでアジア系の俳優ばかりが出演している映画は少ないし、僕自身も人種差別の壁を映画界では見たくないと思っている。ただこの映画は、アジア系が中心だけど、白人のキャストやメキシコ人のスタッフもいて、割りとグローバルさ。香港にいたときみたいに、完全にアジア人の中で撮影しているわけじゃないから、それほど違和感はないね」と居心地はいいようだ。
過去に映画『DEAD OR ALIVE 2 逃亡者』『同じ月を見ている』などの日本映画に出演しているエディソン・チャン。日本の魅力について「食文化、ショッピング、建築や美術館など、僕には日本で大好きなところがいっぱいあるんだ。『DEAD OR ALIVE 2 逃亡者』が、日本で最初に参加した映画だけれど、その前から日本には頻繁に行っていたよ。今でも毎年数回は訪れているんだ。もし日本から出演依頼があれば、ぜひ参加してみたい」と笑顔をのぞかせる。
最後に「しばらく日本のファンには会っていないけれど、機会があったらまた日本に行きたい。日本にいるときはよく東京に行くから、もし僕に会ったら声を掛けてね! いつも応援ありがとう!」と笑顔でファンへメッセージを送った。
確かに女性との性行為の写真や動画をコンピューターに保存し、修理に出したコンピューターでデーターが複製されたのは、彼が直接悪くないとはいえ軽率な行為ではあった。しかし、その代償を香港映画界の引退という形で払った彼。今後、新境地でどんな姿を見せてくれるのだろうか?(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)