妖艶!18歳でデビューし22歳でポルノ界のトップ女優!ソダーバーグ監督からのオファーはMySpaceで!
18歳でデビュー。瞬く間にアメリカ・ポルノ界のスーパー・スターとなってしまった、現在22歳のサーシャ・グレイ。そんな彼女の記事を読み興味を持ったスティーヴン・ソダーバーグが、ポルノ女優をメインストリームに置いた作品の主演に異例抜擢! アメリカでは大きな話題になった。しかしその映画『ガールフレンド・エクスペリエンス』には、ポルノ女優が主演でありながら、セックス・シーンがない、ということでも話題に。精神的な癒しを目的とした“ガールフレンド体験”について描いた今作に主演のサーシャ・グレイに話を聞いた。
Q:スティーヴン・ソダーバーグ監督からはどのように連絡があったのですか?
最初に連絡してきたのは、彼の脚本家で、しかも、わたしのMySpaceにメッセージを送ってきたの。それで「あなたの記事を読んで、スティーヴン・ソダーバーグが連絡して欲しいと言っているのですが」って書いてあったんだけど、MySpaceなんて誰だって連絡できるから、もちろん信じなかったの。だから、「本物のスティーヴン・ソダーバーグが会いたがっているっていう証拠はあるの?」ってメールしたの。そうしたら「ソダーバーグから直接あなたに電話してメッセージを残しますので」って返事が来た。それで、本当にスティーヴンから連絡が来て、映画会社の事務所で会ったの。それで彼はわたしにどんなことをして欲しいのか説明して、45分くらいのミーティングだけで出演が決まってしまったの。
Q:あなたはポルノ・スターですが、メインストリームの映画に出演することについては、どう思ったのですか?
わたしはアダルト映画業界に入ったその日から目標としていたのはアダルト映画界の常識を打破することだったの。だからこの作品に出られたこともその延長線上にあると思っているの。
Q:例えばアダルト映画界における常識ってどんなことだと思っているのですか?
アダルト映画に出演する女優はみんな虐待を受けて育ってきたとか、ドラッグ中毒とか、崩壊した家庭の出身とか、ひもがいるとかね(笑)。アダルト映画を観るか、観ないかに関わらず、そういう固定観念って同じようにあると思うの。
Q:どのように役づくりをしたのですか?
撮影が始まる2週間前になって、キャスティング・ディレクターが、エスコートが書いているブログを教えてくれて、そこで彼女たちがどんなことを考えているのかとか、日々の生活がどんなものなのか、ということがすごくよくわかったの。それから、ニューヨークに到着した日に、キャスティング・ディレクターが、本物のエスコートガールを2人紹介してくれて、3時間ずつ話を聞けたから、その世界について知ることができたと思う。そういうリサーチと、それから自分自身で、このキャラクターのバイオグラフィーを書いてみたりもしたけど、スティーヴンは、カメラの前では可能な限り自然な演技をして欲しいと言っていたの。だから、外枠だけあって、脚本はほとんどなかったといえるわ。
Q:今後は誰の作品に出たいと思っていますか?
たくさんいすぎて絞れないけど、例えば、デヴィッド・リンチとか、ラース・フォン・トリアーの映画に出られたら最高だわ。
Q:あなたは映画監督もしたいと思っているのですよね?
まだアップロードされてないんだけど、自分のウェブサイト(www.sashagrey.com)用にこの数年監督をしているの。当初は、時間のあるときにやっていたくらいだったんだけど、ここ数週間は、よりプロフェッショナルな環境で、映画づくりに取り組んでいるところなの。作りたいと思っている作品は今4本くらいあって、もうすぐ、監督デビュー作を撮影することになっているの。自分の中にあるクリエイティビティを最大限に活かしながら、観客が観たいと思うような作品を作っていきたいと思っているの。
Q:あなたはポルノ・スターでありながら、バンドもやっていて、曲も書いて、脚本も書いて、映画も作るんですよね。そのすべてはあなたの中ではひとつのことなのでしょうか?
もちろん。わたしとこの役柄の最大の違いは、わたしには、自分のプラベートと仕事の間に違いがないこと。「わたしの人生すべてが、わたしのアートである」という考え方なの。これは音楽とか、ポルノ映画とか、ポルノ映画ではない、とかってそんな風に線引きして考えてないの。すべてはわたしの人生の一部だから。そしてそのすべてにわたしは情熱を感じているし、もし情熱を失ってしまったら、生きていたとも思わないからね。(取材・文:中村明美 Akemi Nakamura)
映画『ガールフレンド・エクスペリエンス』7月3日よりシネマライズ他にて全国順次公開