ヴェネチア国際映画祭開幕!審査委員長タランティーノ監督が公平審査宣言!
第67回ヴェネチア国際映画祭
第67回ヴェネチア国際映画祭が1日、イタリア・ヴェネチアのリド島で開幕し、クエンティン・タランティーノ監督をはじめとするコンペティション部門審査員の会見が行われた。
今年のメンバーは、審査委員長のタランティーノ監督を筆頭に、メキシコの監督・脚本家のギジェルモ・アリアガ、リトトニアの女優インゲボルガ・ダクネイト、フランスのアルノー・デプレシャン監督、米の音楽家ダニー・エルフマン、イタリアのルカ・グァダニーノ監督、同ガブリエル・サルヴァトーレ監督の7人。タランティーノ監督は、同映画祭ディレクターのマルコ・ミュラーから紹介を受けると、席を立って記者に一礼した後にピースサインを出し、ちゃめっ気たっぷりにあいさつした。
タランティーノ監督は2004年に第57回カンヌ国際映画祭でも審査委員長を務め、映画『誰も知らない』の柳楽優弥に優秀男優賞を与えるなどの実績がある。再び、世界三大映画祭で審査委員長を務めることについて、「審査員を務めることは好きなんだ。さまざまな国の素晴らしい監督たちの作品を観ることによって、僕もいろんなアイデアを得ることができるからね。それらの作品を、国籍も職業も異なる審査員たちと話し合うのは良い経験になるよ」とノリノリで答えた。
ただし今回のコンペ作は、元カノのソフィア・コッポラ監督『サムウェア』(原題)や、『スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ』で出演を果たした親友の三池崇史監督『十三人の刺客』、敬愛するツイ・ハーク監督『DI RENJIE ZHI TONGTIAN DIGUO』(原題)などの知人や、タランティーノ監督が好きであろう監督たちばかりがそろい、「審査に影響はないか?」と危惧する声も出た。それについてタランティーノ監督は「そうなんだよねぇ。どの作品に賞を選んでも、個人的な動機であげたんじゃないのか? と言われる恐れがある。でも審査に関しては、ほかの審査員たちの好みもあるから、僕自身は気にしていないけどね」とあくまで審査員の総意で公平に審査することを示唆した。
コンペティション部門には日本から三池監督『十三人の刺客』と松山ケンイチ主演『ノルウェイの森』が参加し、会期中に発表されるサプライズフィルム1本を含む24本の中から賞の行方が争われる。受賞結果は現地時間11日夜に発表される。(取材・文:中山治美)