現役監督で世界最高齢101歳のポルトガルのマノエル・デ・オリヴェイラ監督元気な姿で登場!
第67回ヴェネチア国際映画祭
現役監督で世界最高齢101歳のポルトガルのマノエル・デ・オリヴェイラ監督が現地時間8日、新作短編『Paineis de Sao Vicente de Fora, Visao Poetica』(原題)を引っさげて第67回ヴェネチア国際映画祭に元気な姿を見せた。オリヴェイラ監督は今年5月のカンヌ国際映画祭でも長編『ザ・ストレンジ・ケイス・オブ・アンジェリカ』(英題)を発表しており、100歳を超えてもなお好調なペースで作品を発表し続けている。
短編は、オリヴェイラ監督の故郷ポルトにあるセラルヴェス財団設立20周年と同財団が管理する現代美術館開館10周年を記念して制作されたもので、15世紀に活躍したポルトガルの画家ヌーノ・ゴンサルヴェスによる宗教画『サン・ヴィセンテの祭壇画』(paineis de Sao Vicente de Fora)をモチーフにした16分間の作品。その絵画の登場人物がそのままの姿で絵から飛び出し、われわれに語りかけてくる趣向で、主演をオリヴェイラ作品ではおなじみの、イケメンの孫リカルド・トレパが務めている。
なお日本では、日本ポルトガル修好通商条約150周年を記念し、9月17日から東京近代国立美術館フィルムセンターを皮切りに各地で『ポルトガル映画祭2010年 マノエル・デ・オリヴェイラとポルトガル映画の巨匠たち』と題した特集上映が行われ、オリヴェイラ監督の初長編映画『アニキ・ボボ』(1942年)などが上映される。また10月にはオリヴェイラ監督が100歳の時に製作した『ブロンド少女は過激に美しく』も公開されるなど、改めてポルトガルの巨匠に注目が集まっている。(取材・文:中山治美)