1位は2週連続で『ソーシャル・ネットワーク』！ボックスオフィスは去年の同時期より16％ダウン！-10月11日版
全米ボックスオフィス考
全米ボックスオフィスは秋バテ気味なのだろうか……去年の同時期に比べ全米興行収入トータルが16パーセントもダウンだったばかりか、第1位の興行収入が1,500万ドル（約12億7,500万円）台だったというなんとも寂しい週末となった。（1ドル85円計算）
今週のトップに輝いた作品は先週に引き続き、映画『ソーシャル・ネットワーク』で1,545万ドル（約13億1,325万円）の成績。口コミが良好だったためある程度観客数を維持したと思われる。降下率31.2パーセントと、今週の全米チャートトップ10においてどの作品よりも落下度が低かったことも特筆に値する。ちなみに公開後10日間の売り上げは推定4,600万ドル（約39億1,000万円）となっている。
今週第2位は、初登場で映画『ライフ・アズ・ウィー・ノウ・イット / Life as We Know It』（原題）で1,451万ドル（約12億3,335万円）。3,150館・推定3,600スクリーンで大型公開されたにしては、かなり残念な数字である。主演のキャサリン・ハイグルは人気テレビシリーズ「グレイズ・アナトミー」で人気を博し、劇場公開作品でも好評を得ているが、最近立て続けに主演映画が続いておりファンも少々食傷気味の気配である。
第3位は、1,270万ドル（約10億7,950万円）を稼ぎ出した映画『セクレタリアト / Secretariat』(原題)。男性中心の競馬業界で、あらゆる試練を乗り越えて25年ぶりとなる3冠馬を育てるに至った女性の話を描いている。歴代馬映画の売り上げ第1位として君臨している2003年の映画『シービスケット』と比べると成績は劣っているものの、2005年の同時期に公開され、同じく馬を主人公にした映画『夢駆ける馬ドリーマー』や、2005年の映画『マイ・フレンド・フリッカ』と比べると成績は上々。配給会社ウォルト・ディズニー・ピクチャーズによると、観に来ていたお客の58パーセントが35歳以上、55パーセントが女性客、そして67パーセントがカップルだったという調査結果が出ている。
代わって第4位は、先週の第2位から2ランク落下の映画『ガフールの伝説』で689万ドル（約5億8,565万円）。依然として3D上映館からの収入が3分の2近くを占めており、公開後17日間の興行収入トータルは3,930万ドル（約33億4,050万円）となっている。
トップ5最後を飾るのは、2,572館・推定2,700スクリーンで封切られたが、第5位にとどまったホラー映画『マイ・ソウル・トゥ・テイク / My Soul to Take』（原題）。684万ドル（約5億8,140万円）の成績だったが、1,500館以上の3D上映館があるにもかかわらずデビュー週末にこの売り上げというのは……。
次回のチャート予想だが、幸いにして今回のラインアップはいくらか華やかで上位有力候補が3作ある。1作目はシリーズもの第3弾映画『ジャックアス3D / Jackass 3-D』だ。MTV人気番組が劇場デビューしてこれではや3作目。今度は3Dの飛び出す映画として公開されるわけだが、“コワいもの見たさ”と“汚いもの見たさ”の人間心理をついて（!?）、この第3弾作品も上位に食い込むこと請け合い。画面から一体何が飛び出してくるかワクワクする一方、考えただけで気分が悪くなりそうな作品である。
2作目の上位候補作は映画『レッド / RED』(原題)。ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチ、ヘレン・ミレンら豪華キャスト出演のサスペンス・アクション・ムービーである。このそうそうたるキャストが勢ぞろいするのを観るだけでチケット代を払う価値があるという映画ファンが、こぞって映画館へ足を運ぶことが予想される。
3作目は、今年は主演作がめじろ押しのマット・デイモン主演作品で、映画『ヒアアフター / Hereafter』（原題）。クリント・イーストウッド監督が手掛けたスリラー作品だ。イーストウッド監督とマットのコラボで、トップ5のどこまで上がるかが注目される。（文・取材： アケミ・トスト/Akemi Tosto）