“和製ドラゴン”倉田保昭が、生誕70周年を迎えた親友ブルース・リーについて熱い思いを語る!!
第23回東京国際映画祭
29日、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催中の第23回東京国際映画祭で、アジアの風特集上映「生誕70周年記念-ブルース・リーから未来へ-」が行われ、映画『イップ・マン 葉問』上映後にアクション俳優の倉田保昭、映画評論家の知野二郎が登場し、世代を超えて愛されるスーパー・スター、ブルース・リーの秘蔵トークを繰り広げた。
倉田といえば、「Gメン'75」の草野刑事役として知られているが、それだけでなく和製ドラゴンとして知られるアクション俳優。映画『ドラゴン怒りの鉄拳』撮影時に彼がリーにプレゼントしたヌンチャクが映画で使用された結果、ヌンチャクブームが起こったと知られている。これまでに100本以上の香港映画に出演しており、生前のブルース・リーとの共演経験もある、香港映画界伝説の人物である。そんなリーとの初対面について、「彼は168センチだから意外に小さいんですけど、かっこいいんですね。チャイナ服の胸をはだけて歩いてきたんですけど、笑いながらする握手がぐっと固いんですよ」と語っていた。
そんな倉田にとってのブルース・リーのベストムービーは『ドラゴン怒りの鉄拳』なのだという。「だって競馬馬でも毛並みを見れば調子が分かるじゃないですか。ラストの戦いはすごいですね」と語る倉田の言葉にも熱がこもる。そして「『おれは武道を通して、世界に知ってもらいんだよ』と言われて、僕も若かったからそんなことできるのかなと思っていました。でも、今考えるとたった4本の映画で世界中に影響を与えられる人はいませんよ。ぼくはブルース・リーがいたからやってこられたんです」とリーへの熱い思いを語る倉田だった。
そんな彼の名声を世界にとどろかせた作品といえば、『燃えよドラゴン』だ。「大ヒットした、その2週間前に死んでるんだよね。少なくとも亡くなるのが、大ヒットしたことが分かった後だったら、より彼にはやりとげた充実感があったんですけどね……」と語る倉田の話にしみじみとする場内。そんな沈んだ空気を察してか、「この間、香港のブルース・リーの家があった場所を外から眺めてたんですよ。前は入れたのになと思いながら。だって今はラブホテルになっているから、一人じゃ入れないんですよ」と意外に下ネタ好きな倉田ならではのジョークを交えて生前のリーを偲んでいた。
映画『イップ・マン 葉問』は伝説のカンフー・スター、ブルース・リーに武術の心と技を教えた師匠イップ・マンの人生を描くアクション。2009年の正月映画として香港、中国で驚異的なヒットを記録し、第28回香港アカデミー賞最優秀作品賞を受賞している。そして本作の動員が5,000人を超えると、本作のプロローグ編となる『イップ・マン 序章』も公開されることになる。
映画『イップ・マン 葉問』は2011年1月22日より新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開