巨匠オリヴァー・ストーン監督、4年ぶりの来日!「日本経済はまだ豊かに見える」と経済動向を独自の目線で語る!
29日、名匠オリヴァー・ストーン監督が、1980年代の大ヒット映画『ウォール街』の続編『ウォール・ストリート』をひっさげて来日し、ペニンシュラ東京にて記者会見を行った。監督の来日は映画『ワールド・トレード・センター』のプロモーション以来、約4年ぶりとなる。
世界の金融マーケットの中心地ニューヨークを舞台に、非情なマネーゲームの行方を描いた1988年公開作『ウォール街』から約23年。今回の続編では同場所を舞台に、21世紀のマネーゲームを描いている。にこやかに登場した監督は4年ぶりの日本の印象について、「日本の経済はまだそれほど悪くなく、豊かに見える。ヨーロッパやアメリカより持ちこたえているような印象を受けるよ」と独自の見解を語った。
そして、長い時を経て、続編を作った理由について「最初の『ウォール街』を作った1987年はレーガン政権時代で、自由市場が始まったとき。そして2008年のリーマン・ショックでそれが終わったのを目の当たりにして作ることにしたんだ」と説明。さらに「前の作品ではチャーリー・シーン演じるバドのモラルや成長を描いたけど、今回はかつて冷酷なカリスマ投資家だったものの、現在は年老いた(マイケル・ダグラスふんする)ゲッコーというキャラクターを通して、人間としてのモラルを問い掛ける作品にしたいと思ったんだ」と作品の狙いを熱く語った。
また、今作では若手俳優随一の売れっ子シャイア・ラブーフと、映画『17歳の肖像』のキャリー・マリガンが出演していることも話題。若い二人との仕事は楽しかったと語る監督は、特にキャリーについて「イギリス人の素晴らしい女優さん。エネルギーにあふれていて、父親と複雑な関係にある女性をうまく演じてくれていた」と絶賛していた。
ほかにも監督は会見中、アメリカの中央銀行を批判するなど、社会派作品ならではの重厚なコメントが続いたが、終始笑顔を絶やさず柔和に語り続け、最後のファトセッションではおどけてポーズを決めて見せるなど、気さくな面も披露していた。
『ウォール・ストリート』はマネーゲームをめぐる人間模様を描く『ウォール街』の続編となる人間ドラマ。若く有能な電子取引トレーダー(シャイア・ラブーフ)と元カリスマ投資家ゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)が繰り広げるスリリングな駆け引きを通して、人間が持つ欲望に肉薄しつつ、現代に生きる若者の苦難と成長を描き出す。
映画『ウォール・ストリート』は2011年2月4日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国公開