恐るべき天才子役トーマス・ホーン、子どもらしいコメントに名優マックス・フォン・シドーも目を細める
第62回ベルリン国際映画祭
2月10日(現地時間)、第62回ベルリン国際映画祭で行われた、映画『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』の特別上映に先立ち、スティーヴン・ダルドリー監督、出演のトーマス・ホーンにマックス・フォン・シドーらスタッフ、キャストが会見に出席した。
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本作は、911で亡くなった父親の遺した鍵の秘密を探るうちに成長していく少年の物語。ユーモラスで優しい父親をトム・ハンクス、悲しみの中でも息子を守ろうとする強い母親をサンドラ・ブロックが演じる。それぞれが得意とするタイプの役を演じたと言えるトムとサンドラだが、二人に引けをとらない演技を見せているのが、本作でデビューを飾った少年オスカー役のトーマス・ホーンだ。
会見では、「これが初めてのメジャーな役となります。だから、大変なチャレンジでした」とあいさつしたトーマスに、ダルドリー監督が「それじゃ、マイナーな役では何をやったんだい?」と突っ込み。「学校の劇で演じたバッタだよ」と恥ずかしそうに明かしたトーマスの発言に、会場は笑いに包まれた。
また、「フォン・シドーさんといっしょに仕事ができた経験は、本当に、本当にすばらしかったです」とコメントするトーマスを、目を細めつつ見守っていたマックス・フォン・シドー。本作で演じたのは、長い不在を経て初めて少年の前に姿を現す、声を失った祖父という難しい役どころだ。しかしマックスは、役柄について「声が出せなくても人には変わりない。しゃべる代わりに筆談するという違いだけだよ。楽しい役だった」とコメントし、名優らしい貫禄(かんろく)を見せていた。(取材・文:山口ゆかり/Yukari Yamaguchi)
映画『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』は2月18日より全国公開