『アベンジャーズ』すでに3日で2億ドル突破の新記録ラッシュ!ぶっちぎりの1位獲得-5月7日版
全米ボックスオフィス考
この映画の大ヒットは随分前から予想されていたものの、ここまでのメガヒットになるとは誰が予測しただろうか。アメコミ・ファンのみならず映画ファン待望の新作映画『アベンジャーズ』が、封切りウイークエンドの3日間で、なんと2億744万ドル(約165億9,520万円)という巨額の興収をたたき出し、これまで週末総合売り上げの王座に君臨していた映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』の記録である1億6,920万ドル(約135億3,600万円)を打ち破り驚異的な新記録を打ち立てた。(1ドル80円計算)
封切り初日の興収記録では、およそ1,000万ドル(約8億円)ほどの差でハリポタに及ばなかったものの、『アベンジャーズ』は歴代土曜日の興収記録において映画『スパイダーマン3』の5,134万ドル(約41億720万円)の記録を6,956万ドル(約55億6,480万円)へと塗り替え、歴代日曜日の興収記録においても映画『ダークナイト』の4,360万ドル(約34億8,800万円)をけ散らし、5,707万ドル(約45億6,560万円)で新記録を樹立。そして各上映館の平均売り上げ記録においても1館平均4万7,698ドル(約381万5,840円)と歴代最高記録、また映画界での大台といわれている1億ドル(約80億円)、1.5億ドル(約120億円)、2億ドル(約160億円)に最も早く到達するという記録も打ち立てた。
2008年の映画『アイアンマン』でクレジットが流れ終わった後のサプライズ予告編に、サミュエル・L・ジャクソン演じるニック・フューリーが姿を現したときから、『アベンジャーズ』封切りに向けての根回しPRが行われていたわけだが、去年公開された映画『マイティ・ソー』『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』も『アベンジャーズ』公開に合わせて手際良く配置されて公開されており、予告編においても各キャラ紹介に比重を置いてアメコミ・ファンでなくても興味を持ちそうなうまい作りになっていた。
『アベンジャーズ』の大ヒットは、配給会社ディズニーによるPR作戦の成功はもちろんのことだが、それにも増して映画自体のストーリー・ラインが非常にしっかりしており、アメコミ映画である以前に物語としてきちんと成り立つ内容に仕上がっているという点が、驚異的な大ヒットにつながったものと思われる。最高点はめったに出ないとされている映画採点サイトのシネマスコアで、『アベンジャーズ』には希少価値のA+が付けられており、これからも口コミなどからこのまま人気が持続するものと予想される。
さて、2週連続ナンバーワンの後、とんでもない興収の差で首位を明け渡すこととなったのは今週第2位の映画『シンク・ライク・ア・マン(原題) / Think Like A Man』で811万ドル(約6億4,880万円)。第3位は、映画『ハンガー・ゲーム』で559万ドル(約4億4,720万円)。48.3パーセントの収益減となったもののしぶとい粘りを見せている。第4位は、残念ながら不発のまま圏外脱落がほぼ確定したアニメ映画『ザ・パイレーツ! バンド・オブ・ミスフィッツ(原題) / The Pirates! Band of Misfits』で550万ドル(約4億4,000万円)。トップ5の最後は、537万ドル(約4億2,960万円)の収益で映画『一枚のめぐり逢い』となっている。
来週唯一の大型公開作品は約3,700館での封切りが決まっているジョニー・デップ主演、ティム・バートン監督久々のコラボ作品で、映画『ダーク・シャドウ』である。これが日本なら、ジョニデ人気で打倒『アベンジャーズ』となる可能性もありだが、アメリカでは現在のフィーバーぶりから考えると『ダーク・シャドウ』が『アベンジャーズ』から首位を奪うという可能性は低いかもしれない。しかし、何が起こるかわからないハリウッド映画界、来週のチャート動向に注目である。(文・ロス取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)