高梨臨&加瀬亮がカンヌでレッドカーペットに登場!日本を舞台にしたキアロスタミ監督新作にスタンディングオベーションも
第65回カンヌ国際映画祭
アッバス・キアロスタミ監督が全編日本を舞台に、日本のスタッフ&キャストと共に製作した最新作『ライク・サムワン・イン・ラブ(英題) / Like Someone in Love』がカンヌのコンペティション部門で上映された。キアロスタミ監督はじめ高梨臨、加瀬亮、奥野匡らがレッドカーペットに登場、上映後にはスタンディングオベーションが送られるなど好評を博していた。
本作は、ある老人とエスコート・ガールが親子以上の年の差ながら、次第に恋に落ちていくという、男女の不思議な関係を描いた作品で、東京国際映画祭を主催する公益財団法人ユニジャパンが経済産業省と文化庁の支援により昨年度よりスタートさせた、国際共同製作認定作品の一つである。映画『トスカーナの贋作』など世界的に高く評価されているイランの巨匠キアロスタミ監督だが、日本を舞台にした本作の製作は念願だったよう。
「僕は若い頃、いつも地元テヘランのフィルム図書館で黒澤明や小津安二郎の映画を何度も観ていたが、今回の映画を企画するにあたって改めて自分が日本映画から影響を受けていたことに気が付いた。キャスティングのため日本へ行く前に最近の日本映画を観てみたのだが、すぐにやめてしまった。今の日本映画の多くがハリウッドの模倣にしか見えなかったので、正直ガッカリした」と自らの日本映画に対する思いを吐露した。
主人公のエスコート・ガールに大抜てきされた「侍戦隊シンケンジャー」の高梨は、キアロスタミ監督の撮影を「台本がなく、とにかく『演技をするな』と言われた」と振り返る。加瀬も「僕も、事前に台本を渡されておらず、髪とひげを伸ばして現場に来るようにとだけ指示された」とコメント。キアロスタミ監督は「スタートも終わりもない映画を作りたかった。これこそが本当の人生のような気がして」と衝撃のラストシーンについて言及している。なお、カンヌ国際映画祭の受賞結果は、現地時間27日に判明する。(記者:高松美由紀)