B級映画の帝王ロジャー・コーマンが六本木に降臨!86歳で現役の生ける伝説コーマンに観客大感激!
第25回東京国際映画祭
27日、第25回東京国際映画祭特別上映「審査委員長 特別オールナイト コーマン魂」がTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、B級映画の帝王ロジャー・コーマンが多くのファンの前に登場、変わらぬ映画魂を見せた。
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御年86歳にしていまだ現役の映画人であり続け、変わらぬ映画魂を見せつける「B級映画の帝王」ロジャー・コーマン。彼の著書のタイトル「わたしはいかにハリウッドで100本の映画をつくり、しかも10セントも損をしなかったか」を地でいくようにして作られてきた数々の低予算映画から、ジャック・ニコルソン、ジェームズ・キャメロン、ロバート・デ・ニーロ、マーティン・スコセッシなど、現在のハリウッドを支えるキラ星のごとき映画人たちが輩出されてきたのは、今や伝説として語り継がれている。
この日は、コーマンの約60年にわたるキャリアの中から、第一次大戦の撃墜王を描いた1971年のコーマン監督作『レッド・バロン』。『ジョーズ』の亜流作品として製作されたジョー・ダンテ監督、ジョン・セイルズ脚本による1978年の海洋パニック『ピラニア』。そしてDNA操作で突然変異した鮭がモンスター魚人となって港町に襲い掛かる1980年作『モンスター・パニック』という3本が選ばれた。
まさにスリル、お色気、アクション、パニックといった“コーマン印”に彩られた娯楽作3本が選ばれたわけだが、これまで550本以上(うち監督作は50本以上)の映画を作り続けてきたコーマンだけに、この日の司会者が恐る恐る「この3本で大丈夫だったでしょうか?」と尋ねると、コーマンは「とてもいいセレクションで、満足しています」とにこやかな笑顔を見せた。さらに「『レッド・バロン』を公開した時はニューヨークタイムズで、その年のベストテンに選ばれたんです。その後に制作した2本の映画は私がプロデュースした作品。とにかくお客さんに楽しんでいただきたいと思って作ったものです。ぜひ怖がっていただき、楽しんでいただきたい」と解説を寄せた。
「B級映画の帝王」「インデペンデント映画のゴッド・ファーザー」といった肩書で語られることの多いコーマンだが、実際の彼はいたって穏やかで知的な雰囲気。「皆さん、今日は来てくれてありがとう」とお礼を述べるコーマンに、観客は大きな拍手を送った。(取材・文:壬生智裕)
第25回東京国際映画祭は10月28日まで六本木ヒルズほかにて開催