オスカー候補と噂のベン・アフレック監督・主演『アルゴ』、封切り3週目でトップ! -10月29日版
全米ボックスオフィス考
ベン・アフレックが監督・製作・主演を兼ね、すでにアカデミー賞候補の呼び声も高い映画『アルゴ』が、封切りから3週目にして全米映画ランキングのトップになるという異例の結果となった。週末に1,209万ドル(約9億6,720万円)の興収を上げた 『アルゴ』は、先週から上映館数が392館減った(2,855館)にもかかわらず下降率を26.5パーセントにとどめ、週末新たにデビューした話題の新作3本をものともしない快進撃を披露。恐らく映画ファンの口コミが、本作のPRとなったことで好結果につながったと考えられる。(1ドル80円計算)
第2位は、初登場の映画『クラウド アトラス』で961万ドル(約7億6,880万円)。本作はトム・ハンクス主演作としては、映画『すべてをあなたに』以来となる低い興収となっており、映画ファン批評サイトのシネマスコアでもC+という成績。 監督のウォシャウスキー兄弟の兄だったラリー・ウォシャウスキーが性転換を行い、本作より姉のラナ・ウォシャウスキー監督として名を連ねているということの方が作品そのものよりも話題となっている感があり、興収的にはこのまま残念な結果で終わりそうである。
第3位は、944万ドル(約7億5,520万円)の興収で公開から5週で総額1億3,040万ドル(約104億3,200万円)をたたき出しているアニメ映画『モンスター・ホテル』。本作は、ソニー・ピクチャーズの歴代アニメ作品でナンバーワンの映画『スマーフ』の興収にじわりじわりと近づいており、もうそろそろ抜くというところまで来ている。続いて第4位は、先週トップから興収70,7パーセント減で急降下し、辛うじてトップ5に踏みとどまった映画『パラノーマル・アクティビティ 4』で851万ドル(約6億8,080万円)。一度は首位を獲得したとはいえ、シリーズとしては最低の興収となっている。
第5位は、初登場の映画『サイレントヒル:リベレーション 3D(原題) / Silent Hill: Revelation 3D』で802万ドル(約6億4,160万円)。前作よりもデビュー週末興収がおおよそ60パーセント減で、有名なテレビゲームが原作という話題性から考えると、本シリーズはこれでおしまいかも……。
さて来週のチャート予想だが、今週末公開のディズニー・アニメとデンゼル・ワシントン主演の新作が、現在首位の映画『アルゴ』に猛攻をかけることになる。アニメ作品は、映画『シュガー・ラッシュ』。子ども連れの観客で、映画館は大にぎわいになるだろう。一方デンゼル主演の映画『フライト』は、ロバート・ゼメキス監督が久しぶりにメガホンを取った作品。デンゼルの演技と映画に出てくる飛行機墜落シーンの特撮は、アカデミー賞ものといううわさも……。果たしてトップ座に就のはどの作品か? (文・ロス取材:明美・トスト/Akemi Tosto)