ビンラディン殺害計画描くオスカー候補作を米有力議員が非難
第85回アカデミー賞有力候補と目されている映画『ゼロ・ダーク・サーティ』に対し、米有力議員3名が事実と異なる部分があるとし、配給を手掛けるソニー・ピクチャーズに書簡を送った。米各メディアが報じている。
『ゼロ・ダーク・サーティ』は、アカデミー賞で9部門にノミネートされ、6部門で受賞した映画『ハート・ロッカー』でメガホンを取ったキャサリン・ビグロー監督の最新作。911全米同時多発テロの首謀者にしてテロ組織アルカイダの首謀者ウサマ・ビンラディン殺害計画を題材としたサスペンス作品だ。
今回、同作に対して書簡を送ったのは、民主党の上院議員ダイアン・ファインスタインとカール・レビン、共和党のジョン・マケイン。3名は『ゼロ・ダーク・サーティ』について、「極めて不正確で、誤解を招く恐れがある」と指摘し、「『ゼロ・ダーク・サーティ』を鑑賞した方々は、描き出される出来事が真実だと思うことでしょう。それは問題だと思っています。この映画には、動揺と誤解を招き、世論を変える可能性があります」といった内容の声明を、ソニー・ピクチャーズに送ったという。
すでにニューヨーク映画批評家協会賞で作品賞、監督賞、撮影賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞で編集賞を受賞している本作。来年1月13日に授賞式が行われるゴールデン・グローブ賞でも4部門にノミネートされており、来年1月10日にノミネーション発表、2月24日に授賞式を控える第85回アカデミー賞の受賞にも期待がかかっていた。(編集部・島村幸恵)