ジェイミー・フォックス、先祖を冒涜と『ジャンゴ』批判のスパイク・リーに反論
クエンティン・タランティーノ監督作『ジャンゴ 繋がれざる者』で主演を務めるジェイミー・フォックスが、本作を「祖先に対して冒涜(ぼうとく)的な映画だ」として観ることはないと語ったスパイク・リー監督に対して「無責任だ」と反論した。
本作は、19世紀のアメリカ南部を舞台に、元奴隷の主人公ジャンゴ(ジェイミー)が、奴隷市場で売られた妻を取り戻すため、極悪非道な農園領主(レオナルド・ディカプリオ)に戦いを挑む姿を描く西部劇。イタリア製西部劇であるマカロニ・ウエスタンに多大な影響を受けており、黒人奴隷の復讐(ふくしゅう)劇を描いた娯楽作となっている。
この作風にリー監督は、「アメリカの奴隷制は、セルジオ・レオーネが描く西部劇なんかじゃなく、ホロコーストなんだ」と不快感を表明。奴隷制度は決して娯楽にしていいものじゃない、という態度を示し、黒人監督として「僕の祖先に対して冒涜(ぼうとく)的な映画だ」と語り、映画を観るつもりもないと明かして物議を呼んだ。
これに対し、黒人俳優として主演を務めるジェイミーは、The Guardianの取材に「リー監督は(黒人女優の)ウーピー・ゴールドバーグも嫌いだったし、タイラー・ペリーも嫌い。皆を嫌っているんだ。彼なりの道を行っているんだろうね」とコメント。「リー監督のことは心から尊敬しているし、素晴らしい監督だと思っているよ」やんわりと反応する一方で、作品も観もせずに批判する姿勢に疑問を示すと「それって、僕にしてみれば無責任なことだよ」とまずは本作を観るべきだと反論している。(西村重人)
映画『ジャンゴ 繋がれざる者』は3月1日より全国公開