タランティーノ『ジャンゴ』でアカデミー賞脚本賞受賞!『パルプ・フィクション』以来、18年ぶり2度目!
第85回アカデミー賞
第85回アカデミー賞授賞式が25日(現地時間24日)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、映画『ジャンゴ 繋がれざる者』のクエンティン・タランティーノが脚本賞を受賞した。タランティーノが同賞の栄冠に輝くのは、1995年受賞の『パルプ・フィクション』以来、18年ぶり2度目。タランティーノは、「前々から言っていますが、役者たちに感謝しています」と興奮気味にスピーチし、「長年記憶されるような映画を作りたいと思っていますが、それを今、やり遂げることができました。本当に今年、受賞できてうれしいです」と喜びいっぱいの表情を見せた。
『ジャンゴ 繋がれざる者』は、19世紀中期のアメリカ南部を舞台に、元奴隷の黒人賞金稼ぎが白人によって引き離された妻を奪還すべく奔走する姿を描いた究極のリベンジ・ムービー。西部劇を取り入れたオリジナル脚本・監督を手掛けたタランティーノが、オスカー俳優ジェイミー・フォックス、先ほど本作で同アカデミー賞助演男優賞を受賞したばかりのクリストフ・ヴァルツや、本作で初めて本格的な悪役に挑んだレオナルド・ディカプリオ、タランティーノ作品常連のサミュエル・L・ジャクソンら豪華キャストで唯一無二の世界観を生み出した傑作だ。
本作の脚本には、タランティーノが前作『イングロリアス・バスターズ』のプロモーションで2009年に来日した際に滞在した東京都内のホテルで冒頭のストーリーが生まれたという秘話がある。黒人の奴隷が賞金稼ぎになるという西部劇のアイデアを長年頭の中で温め続けていたタランティーノが、日本で購入した西部劇のサントラに刺激を受け、ファーストシーンが誕生したという。
少なからず日本にゆかりのあるタランティーノの作品が、同賞候補に挙がっていた映画『愛、アムール』のミヒャエル・ハネケ、『フライト』のジョン・ゲイティンズ、『ムーンライズ・キングダム』のウェス・アンダーソン&ロマン・コッポラ、『ゼロ・ダーク・サーティ』のマーク・ボールという強豪を押しのけて、第85回アカデミー賞脚本賞の栄冠を手に。アカデミー賞の前哨戦として有名な第70回ゴールデン・グローブ賞で脚本賞を受賞し、本賞の受賞が有力視されていたタランティーノが、世界最大の映画の祭典で再びその名をとどろかせた。(編集部・小松芙未)
「第85回アカデミー賞授賞式」はWOWOWプライムにて生中継中(25日夜9時よりリピート放送)