実は松田龍平&翔太のいとこ!俳優・小林且弥、『凶悪』撮影の苦労を語る
18日、新宿ピカデリーで映画『凶悪』の大ヒット記念トークショーが行われ、俳優の小林且弥と白石和彌監督、そしてドキュメンタリー映像作家の松江哲明監督が出席した。小林は、自らは語らないものの、故・松田優作さんのおいっ子で、松田龍平&翔太兄弟とはいとこ同士。トークショーの最後にMCからそのことを振られると、「それは言っちゃダメなやつです」と恐縮するも、客席からは驚きの声が上がっていた。
188センチの長身と整ったマスクが印象的で、これまでにも数々の作品に出演し、多くの監督に愛されている小林。本作ではピエール瀧演じるヤクザの舎弟・五十嵐役で男気あふれる魅力を発揮しているが、談笑した相手を別のシーンでは殺しにかかる場面などもあり、「酒を飲ませたり、たたいたり、みそ汁をぶっかけたり、撮影がそういう毎日で感覚が狂う感じでした」と不条理な世界に生きる男を演じる上で、大きな苦労があったことを明かした。
「役者ってこれをやったらこうって動機をつなげて整合性を求めるけど、何をもって正解とするのか、どこのラインで整合性を保つのか」と迷いがあったという小林だが、「白石さんと話してそれはいらないんだなって思いました。人間って笑いながら次の瞬間には人を殺したりする、そういう説得力があるのが、この映画のすごいとこ」と語り、不条理な世界にも真実味を持たせる白石監督の手腕を絶賛していた。
すでに興行収入は1億6,000万円を突破するなど快進撃を続ける本作。2億円超えのヒットに向けて、小林は「こういう映画がヒットするのはすごく珍しいことですが、こういう映画がなくなると日本映画はさみしくなり枯渇していく一方なので、引き続き応援よろしくお願いします」とアピールした。
本作は『ロストパラダイス・イン・トーキョー』の白石監督が、ベストセラーノンフィクション「凶悪-ある死刑囚の告発-」を映画化した衝撃作。ある死刑囚の告白をきっかけに、山田孝之演じるジャーナリストが闇に埋もれた殺人事件を暴く姿を描く。(中村好伸)
映画『凶悪』は公開中