シャーロック・ホームズが原爆投下後の広島を訪れる…イアン・マッケラン主演作がワールドプレミア
第65回ベルリン国際映画祭
現地時間8日、第65回ベルリン国際映画祭で『ミスター・ホームズ(原題) / Mr. Holmes』のワールドプレミアが開催され、主演のイアン・マッケラン、真田広之、ローラ・リニー、マイロ・パーカー、ビル・コンドン監督らが会見を行った。本作は、大会で最も注目されるコンペティション部門に、コンペ外として参加している。
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『ミスター・ホームズ(原題)』は、実はシャーロック・ホームズにモデルがいたという設定のドラマ。海辺の田舎で暮らす年老いた元探偵ホームズをイアン、家政婦をローラ、その息子をマイロ、かつてホームズが日本を訪れた際に出会ったウメザキを真田が演じる。ホームズが昔手掛けた事件と、個人的な思い出が絡むストーリーで、原爆が落とされた後の広島をホームズが訪ねるシーンがあるなど、日本が重要なパートになっている。
老人と少年の友情も見どころの一つ。名優を相手に堂々の演技を見せた子役のマイロは「彼は本当にいい人で、素晴らしい俳優で、ガンダルフです」とイアンを評して会場を沸かせた。一方のイアンは「シャーロックが生涯、愛、人生を転換させたかもしれないことを拒んでしまい、それが彼を止めてしまったのをイメージした」と本作の基調にもなっている喪失感に言及しながら役づくりについて語った。
また、真田が「脚本を読み、驚きました。シャーロック・ホームズの歴史に日本人が登場するなんて(笑)。キャストがとても協力的でアドバイスをたくさん得られ、素晴らしい体験でした」とキャストをたたえると、すかさずローラが「日本についての部分は、彼(真田)のガイドがあったおかげでできたわ」と返答。それにも真田は「それも僕の仕事の一部です」と答えるなど、謙虚な姿勢を崩さなかった。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)
第65回ベルリン国際映画祭は現地時間15日まで開催