日本人6年ぶり短編アニメ賞ならず 元ピクサー堤大介監督『ダム・キーパー』受賞逃す
第87回アカデミー賞
第87回アカデミー賞授賞式が現地時間22日、米ロサンゼルスで行われ、短編アニメ映画賞にノミネートされていた、ピクサーの元スタッフで日本人クリエイターの堤大介監督が初監督した『ダム・キーパー』は受賞を逃した。日本人監督の作品としては、2009年に同部門を初受賞した加藤久仁生監督作『つみきのいえ』以来、6年ぶりの快挙が期待されていたが、『ベイマックス』と同時上映されているディズニー製作の短編アニメーション『愛犬とごちそう』が選ばれた。
本作は、大気汚染に覆われた世界を舞台に、小さな街を汚染から守るダムを管理する豚の少年と、天真爛漫(らんまん)なキツネの交流を描いた心温まる短編アニメーション。ピクサーでアートディレクターとしてタッグを組んできた堤と日系人アーティストのロバート・コンドウが、「二人で何を生み出せるか」と考えて自主制作したオリジナル作品となる。
日本人が同部門にノミネートされるのは、2014年に『九十九』で候補入りを果たした森田修平監督に続き2年連続。『九十九』と同様、惜しくも受賞とはならなかったが、ノミネーションをきっかけに、各所でそのクオリティーの高さが改めて報じられており、現在ピクサーから独立して活動する堤監督にとって、何よりの追い風になったことは間違いない。(編集部・入倉功一)
第87回アカデミー賞授賞式は、WOWOWプライムにて生中継中(夜9時よりリピート放送)