妻夫木聡出演『黒衣の刺客』ホウ・シャオシェンにカンヌ監督賞!『海街diary』は無冠
第68回カンヌ国際映画祭
第68回カンヌ国際映画祭の授賞式が現地時間24日にフランスで行われ、日本から俳優の妻夫木聡が出演した映画『黒衣の刺客』を手掛けた台湾のホウ・シャオシェン監督がコンペティション部門の監督賞に輝いた。最高賞のパルムドールに選ばれたのは、フランス映画の『ディーパン(原題) / Dheepan』(ジャック・オーディアール監督)。邦画唯一の出品作となった是枝裕和監督作『海街diary』は無冠に終わった。
『黒衣の刺客』は、台湾の巨匠ホウ監督が女優のスー・チーを主演に迎えたアクション時代劇。唐代の中国を舞台に、暗殺者として育てられた主人公が運命に立ち向かう姿を美しい映像と華麗なアクションを交えて描き出す。妻夫木はヒロインを救う遣唐使船の日本人青年役で出演。公式上映にも参加しカンヌデビューを果たした。シャオシェン監督のコンペ受賞は1993年に『戯夢人生』で審査員賞を受けて以来となる。
惜しくも受賞は逃した『海街diary』だが、劇中で4姉妹を演じた女優の綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずが現地入り。公式上映前のレッドカーペットをそろって歩き映画祭に花を添えたほか、コンペに並ぶ映画祭の公式部門「ある視点」では、黒沢清監督が『岸辺の旅』で監督賞を受賞。河瀬直美監督作『あん』も正式招待されたほか、三池崇史監督の『極道大戦争』が監督週間で上映されるなど、日本映画が存在感を示した。(編集部・入倉功一、取材:市川遥)
第68回カンヌ国際映画祭の受賞結果は以下の通り。
【パルムドール(最高賞)】
『ディーパン(原題) / Dheepan』(フランス) ジャック・オーディアール監督
【グランプリ】
『サン・オブ・サウル(英題) / Son of Saul』(ハンガリー) ラースロー・ネメス監督
【監督賞】
ホウ・シャオシェン監督 『黒衣の刺客』(台湾)
【男優賞】
ヴァンサン・ランドン 『ザ・メイジャー・オブ・ア・マン(英題) / The Measure of a Man』(フランス)
【女優賞】
ルーニー・マーラ 『キャロル(原題) / Carol』(イギリス、アメリカ)
エマニュエル・ベルコ 『モン・ロワ(原題) / Mon Roi』(フランス)
【脚本賞】
『クロニク(原題) / Chronic』(メキシコ) ミシェル・フランコ
【審査員賞】
『ザ・ロブスター(原題) / The Lobster』(ギリシャ、イギリス、アイルランド、オランダ、フランス) ヨルゴス・ランティモス監督
【カメラドール(新人監督賞)】
監督週間
『ランド・アンド・シェイド(英題) / Land and Shade』(コロンビア、フランス、オランダ、チリ、ブラジル) セザール・アセヴェド監督
【短編コンペティション】
『ウェーブズ ’98(原題) / WAVES ’98』(レバノン、カタール) イーライ・ダゲール監督
【名誉パルムドール】
アニエス・ヴァルダ
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