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ティム・ロス、カンヌ審査員だった3年前にグランプリ受賞者に仕事を頼んでいた

第68回カンヌ国際映画祭

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ミシェル・フランコ監督&ティム・ロス - 第68回カンヌ国際映画祭の受賞者会見にて
ミシェル・フランコ監督&ティム・ロス - 第68回カンヌ国際映画祭の受賞者会見にて - Pool / Getty Images

 現地時間22日、第68回カンヌ国際映画祭でコンペティション部門に出品されている映画『クロニク(原題) / Chronic』の公式会見が行われ、脚本も執筆したミシェル・フランコ監督と主演のティム・ロスらが出席した。

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 本作は、看護師のダビッド(ティム)が末期患者のケアをするさまを静かに映し出したドラマ。いつもとは一味違う、感情を抑えたキャラクターをどう演じたかについて、ティムは「ああ、跳ねまわったりはしないからね(笑)。看護師、ホスピスや人生の終わりについての専門家の話を聞く中で役を見つけていった。彼(ダビッド)の邪魔はしたくなかったから、飾り立てずに演じたよ」と明かす。

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 製作のきっかけになったのは、2010年にフランコ監督の祖母が病気になり、寝たきりになって亡くなった際、祖母のケアをした看護師にとても心を動かされたことだという。「看護師はエンジェルだという意味じゃない。興味を持ったのは、終身ケアをする人の人生はどういうものかということ。彼女は祖母が死んだあと、僕たち家族にも会ってくれた。『どのくらいこの仕事をしているんですか?』と聞くと『20年』。『どのくらいの死を見てきたのですか?』と聞くと、ただ悲しげに笑っていた。そしてこの映画を撮ることにしたんだ」。

 そしてティムとフランコ監督の関係は、ティムが第65回カンヌ映画祭「ある視点」部門で審査員長を務め、『父の秘密』(2012)でフランコ監督にグランプリを授与したときから始まった。ティムは「全てはカンヌで始まった。彼の映画を観て驚かされた。そして彼に会って仕事を頼んだ。今何のプロジェクトを進めているの? と聞いたら看護師の話だと言われた。男の看護師もアリだから、参加する? って話になって今ここに居る」と率直に語って笑いを誘った。

 フランコ監督はその後、脚本をティムと密接に関わって発展させたといい、「よく覚えているのは、第1稿をティムに送ったときのこと。プロデューサーは返事があるまで2週間は待たなくちゃいけないよと言ったんだけど、ティムは2時間後に『OK、読んだよ。話し合おう』って連絡してきた(笑)。エゴのない、とてもシンプルなプロセスだった」と建設的なコラボレーションに満足げだった。

 なお、本作は24日に行われたコンペティション部門の授賞式で見事脚本賞を受賞。賞を手にしたフランコ監督は、受賞者会見の席で「彼もほとんど脚本家だ」ととてもうれしそうな表情で共に会見に参加していたティムを称賛。終始笑顔で肩を組んだりと、相性の良さをうかがわせていた。(編集部・市川遥)

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