石丸幹二、三谷コメディーで新境地「可能性広がった」
『ギャラクシー街道』インタビュー
劇団四季出身で、テレビドラマ「半沢直樹」での熱演も話題を集めた石丸幹二が、三谷幸喜監督の最新作『ギャラクシー街道』で念願だったという三谷コメディーに出演を果たした。役柄は、コールガールをあっせんする客引き宇宙人の甘い口車に乗ってしまう地球人ムタ。「最初は恥ずかしかった」と告白するも、「世の中のコソコソした男の代表として精いっぱいやり切った」とニッコリ。「役者としての可能性が広がった」という石丸が向かう先とは?
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本作は、西暦2265年、宇宙空間を舞台にした三谷監督初のSFラブコメディー。木星と土星の間に浮かぶ人工居住区「うず潮」と地球を結ぶスペース幹線道路、通称・ギャラクシー街道の脇に立つ、小さなハンバーガーショップに集まる人々が織り成す恋模様を、店主夫婦役の香取慎吾と綾瀬はるかを中心にユーモラスかつ奇想天外に描く。
巧みな話術で男性のスケベ心をくすぐる客引き宇宙人ゼット(山本耕史)とのコソコソ話で、絶妙な笑いを生み出している石丸。「挙動不審な感じをいっぱい出しながら、楽しんで役に向き合えた」と会心の笑みを浮かべる。「相手役の田村梨果(ミラクルひかる)さんが東南アジア系の女性のような設定で、たどたどしい日本語を話すんですが、それがまたツボで……」と現場を思い出すたびに笑いがこみ上げてくるようだ。
さらに石丸は、遠藤憲一演じる両性具有の宇宙人メンデスの出産に立ち会うという奇想天外なシーンにも挑戦。「網タイツを履いた遠藤さんが運ばれてきたときは、衣装の設定を知らなかったのでものすごく戸惑った」と語るも、「遠藤さんがとにかくノリノリだったのでやるしかないと。あれは一生に一度の経験ですね」と楽しそうに振り返った。
舞台はもとより、ドラマ、歌手、そして映画と、活動のフィールドをどんどん拡大していく石丸だが、その先にどんな青写真を描いているのか。「舞台、特にミュージカルは、体全体を使って表現し、3時間ほどノンストップで演じるという醍醐味(だいごみ)がありますが、現実離れした役や日本人ではない役が多かった。ところが映画やドラマでは、現実にありそうな話の中で、共感していただける役を振ってくださるケースが多い」と以前とはまた違うやりがいを見いだしている様子。
「今後は舞台や音楽活動を続けながら、映画やテレビドラマでも“石丸ワールド”を広げていきたいですね。この作品を足がかりに『石丸に何かをやらせてみたい』と思っていただければ」と期待に胸を膨らませていた。(取材・文:坂田正樹)
映画『ギャラクシー街道』は10月24日より全国公開