いったい誰!?前田敦子あこがれの俳優
ニューヨークのジャパン・ソサエティーで開催されたイベント「ジャパン・カッツ!」で、7月14日(現地時間)にオープニング・ナイト作品として上映された映画『モヒカン故郷に帰る』について、主演女優の前田敦子が単独インタビューで語った。
バンドマンとして東京で活動していた永吉(松田龍平)は、付き合っている彼女の由佳(前田)が妊娠したことを報告するために、7年ぶりに故郷の広島に戻ってくる。頑固な父親の治(柄本明)はつっけんどんな対応をするが、その夜の宴会の最中に治が倒れ、がんであることが発覚したことから、ふがいなかった永吉が父親のために奮闘するというストーリー。映画『キツツキと雨』の沖田修一がメガホンを取った。
松田との共演について「わたしは俳優として松田さんが大好きで、いつか共演したいと口に出して言っていました。思ったより早く、その願いがかないました。空気感が独特で、彼のようなタイプの俳優は日本にはあまりいないと思います。共演していて、全てが楽しかったです」と答えた。さらに由佳と永吉の関係については「由佳が客観的に永吉の変な感じを見つめている部分では、わたしも演技上で同じ目線でいられたと思います。由佳と永吉は特にしゃべらなくても、お互いが通じ合っています。わたし自身も松田さんに対して前から憧れていたので、そういった意味では共演する上で信頼しやすかったです」と明かした。
瀬戸内海の島々での撮影や、島の人たちとの交流について「シゲさんという方が印象深かったです。映画内では産婦人科の先生と勘違いするようなお婆ちゃんが登場していて、その方がシゲさんです。シゲさんを含めた島の方々は、バッチリ下準備をしてきてくださって、助監督さんとも事前に密に練習し、さらにアドリブまで利かせてくれて、すごく楽しんでくださいました。みんながやる気満々で来てくださったことが、わたしは一番うれしかったです。島の人たちとの絡みが、演じていても、見ていても楽しかったです」と振り返った。
また、ニューヨーカーにどのような反応を期待しているのかとの質問に、前田は「今作の舞台は、日本でも東京じゃなくて広島ですが、日本人ってなんか可愛いなと思っていただけたらいいと思います。わたしたちが演じた役柄を、そんな(かわいいという)ある意味キャラクターチックな目線で見てもらえたらうれしいですね」と答え、本作の上映後には、ニューヨーカーから拍手喝采を受けていた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)