本場ブロードウェイ絶賛!元宝塚トップスター「シカゴ」現地の反応
宝塚歌劇の元トップスターによるブロードウェイ・ミュージカル「シカゴ」宝塚歌劇OGバージョンが、ニューヨークのリンカーン・センターのデヴィッド・H・コーク・シアターで7月20日~24日まで全6回公演が行われた。実際に観劇したアメリカ人の反応はどうだったのか。
23日の夜の公演後、年間に100作品以上もの舞台を観劇するロビン&ブルース・ブラック夫妻は「1か月前にシェイクスピアの戯曲『じゃじゃ馬ならし』を、全て女優のキャスト陣で観劇したけれど、全て女優のミュージカルを観劇したのは今回が初めてだった。男性を演じた女優の演技に真実味があったわ。この日ビリー・フィンを演じた姿月あさとは、洗練された男性として求められているものを研究し、しぐさや座っている姿まで素晴らしかった」とロビンさんが答えた。
一方ブルースさんは、ブロードウェイのミュージカル「シカゴ」と比較して「宝塚歌劇のダンスのスキルは、ブロードウェイと同様に高いものだ。ただ、さすがに長年ブロードウェイで同じ役を務めてきた俳優たちが持つスターパワーと歌唱力は、ブロードウェイの方が勝っていると思う」と語った。
宝塚を日本で鑑賞したことのあるキャロル・トリューマンさんは「宝塚歌劇は男性を男らしく、女性をより女性らしく強調して演じている。宝塚歌劇はそこに入るのは大変だけれど、いったん入れば徹底的な訓練を受け、ダンス、歌、演技を学べる。けれどニューヨークのほとんどの俳優は、それぞれ個人でダンスや歌のレッスンを受けたり、演技の学校に通ったりする。仮にある舞台に参加しても、その舞台が終われば、また一人で活動するわ」と比較した。彼女は日本では雪組公演の「Shall we ダンス?/CONGRATULATIONS 宝塚!!」を観劇したそうだ。
ミネソタ州から来たキャロル・ハンさんは「日本を訪れた友人が、宝塚歌劇の舞台作品のDVDを見せてくれて、それが2007年版の『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』で、水夏希さんがトートを演じていた。その後、他の宝塚作品を何本もDVDで鑑賞したけれど、今回が初めての観劇だった。わたしたちは、わざわざミネソタ州から観劇しに来たの」と語ると、夫のトーマスさんは「今回出演している女優さんは、みんな元トップスターばかりで、一度に彼女たちを見られることはないからね」とご満悦のようだった。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)