隠しカメラが!?『ボーン』シリーズの映像の裏側
映画『ボーン』シリーズの第5弾『ジェイソン・ボーン』(10月7日 日本公開)について、女優ジュリア・スタイルズが、7月5日(現地時間)ニューヨークで行われたAOL開催のイベントで語った。
しばらく姿をくらましていたジェイソン(マット・デイモン)は、ある日、暗殺者養成プログラム「トレッドストーン」に、テロリストに殺されたはずの父親が関わっていたことを、元同僚ニッキー・パーソンズ(ジュリア)に明かされ、父親の死の真相をCIA相手に突き止めていく。ポール・グリーングラス監督が同シリーズで3度目のメガホンを取った。
ダグ・リーマン監督が『ボーン』シリーズのイメージと雰囲気を作り上げたが、それを変えたのはグリーングラス監督。「彼はエンターテインメント性を持つアクション映画であっても、政治的、社会的にも適した映画に仕上げるコツをつかんでいるの」と語ったジュリア。
グリーングラス監督の撮影現場は「かなりカオス(無秩序)だわ。でも、強いて言えば制御されたカオスね。例えば『ボーン・アルティメイタム』のときは、チュニジアのマーケットで撮影シーンがあったけれど、彼は撮影のために道路を遮断せずに、あえて実際のローカルの人々がマーケットで買い物しているシーンを、隠しカメラを道路の角に設置して撮影していた。わたしが道路の角まで走ったシーンでは、もうカメラの映像から外れてリラックスできると思ったら、目の前に隠しカメラがあったわ。さらに彼には180度のアングルで撮影しているカメラマンがいて、(被写体以外で周りに起きている)何か面白い出来事を撮らせているの」と監督の撮影手法を明かした。
ジュリア演じるニッキーとは「今作は前作『ボーン・アルティメイタム』から8年の月日が流れている設定で、わたしが演じるニッキーもずっと姿を消していたけれど、再浮上して、より反抗的な破壊的分子となり、ジェイソンを作ったCIAの暗殺者養成プログラム『トレッドストーン』の情報(実態)を暴露するの」と明かした。さらにグリーングラス監督とキャラクターについて話し合ったそうで、「イスラム過激派やアナーキストのグループに加わった女性を記した記事を彼に送ったの。すると彼から『Why It’s Kicking off Everywhere』というハッカーを記した本が送られてきた」と語った。消息不明だったニッキーはハッキングの世界にいたようだ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)