PTSDに悩む退役軍人と恋に落ちる人妻…ダイアン・クルーガーが熱演!
映画『マリー・アントワネットに別れをつげて』のダイアン・クルーガーが、米公開作『ラスト・ボディガード』について、アリス・ウィンクール監督と共に8月9日(現地時間)にニューヨークのアップルストア開催のイベントで語った。
PTSDに悩む退役軍人ヴァンサン(マティアス・スーナールツ)は、友人の紹介でフランスの郊外に住む武器商人ワリード(ペルシー・ケンプ)宅を護衛することになる。だがワリードが出張に行っている間に、彼の妻ジェシー(ダイアン)と息子が何者かに襲われ、ヴァンサンが彼らを間一髪で守ったことで、ジェシーもヴァンサンに好意を抱き始める。『裸足の季節』の脚本家アリス・ウィンクールがメガホンを取った。
製作経緯についてアリスは「最初はPTSDに関心を持ち、戦地で手足を失ったり、PTSDを発症したりしたアフガニスタンから帰還したフランス兵たちの話を病院で聞いた。そこで、現実に対処できないヴァンサンというキャラクターが生まれたの」と明かした。一方ダイアンは「約2年、フランスを離れてFXのドラマ『ブリッジ ~国境に潜む闇』をアメリカで撮影していて、通常1年に1本フランスの作品に出演するけれど、それができずにいた頃、今作のオファーがあったの」と出演経緯を語った。その後アリスの長編処女作『博士と私の危険な関係』(日本未公開)を鑑賞し出演を決めたそうだ。
ダイアン演じるジェシーについて、アリスは「わたしはジェシーが人の心に触れるキャラクターとして、彼女の感情的な部分を描きたかった。冒頭でのジェシーは、魅惑の対象でしかないけれど、彼女を映画内で観客が知っていく過程で、彼女の人間性が見えてくる。彼女は、うわべだけの生活をしながら刑務所(自宅)に自分を閉じ込め、そこから抜け出せない状態にあるの。ただ今作はスリラーの要素もあるけれど、ラブストーリーでもあり、そんな役を演じるのにダイアンは適していたわ」と語った。
ダイアンはフランス語での演技について「わたしはパリのドラマスクールに通っていたし、現在もフランスに時々住んでいる。ドイツ生まれのわたしが好きだった女優はロミー・シュナイダーで、彼女は初めてフランスでも活躍したドイツ系女優の1人だった。彼女はアラン・ドロンと出会ったり、素晴らしいキャリアも持っていたりして、彼女のようなキャリアを築きたいと思ったの」と答えた。フランス映画の題材は彼女には共感が持てるそうだ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)