11人の民間人を死なせた一瞬を捉えた緊迫の映像…アカデミー賞候補作予告編公開
ハリウッド実写版『攻殻機動隊』のバトー役に抜擢されたデンマーク人俳優が主演を務めるアカデミー賞候補作『ある戦争』の予告編で、アフガンの戦場で主人公の人生を狂わせた一瞬の映像が公開となった。
【動画】ハリウッド実写版『攻殻機動隊』バトー役俳優が主演!アカデミー候補作『ある戦争』予告編
本作は、『偽りなき者』(2012)、『光のほうへ』(2010)などトマス・ヴィンターベア監督作品の脚本家として知られるトビアス・リンホルムが長編第3作目にして、第88回アカデミー賞外国語映画賞候補になったドラマ。予告編では、アフガニスタンの平和維持のために駐留するデンマーク軍の部隊長、クラウス(ピルー・アスベック)が子供を含む11名の民間人の命を奪うことになる“一瞬の決断”が映し出される。
「こんな戦いに何の意味が?」と嘆く部下に「だが市民を守らねば」と発破をかけるクラウス。しかし彼は部下を守るため敵を目視しないまま「見たことにして」空爆命令を出し、やがて11人の民間人殺害容疑で起訴されてしまう。果たして、秒刻みで死が迫りくる戦場で、彼はどのような判断を下せばよかったのか? 手持ちカメラで捉えたドキュメンタリータッチの緊迫感あふれる戦場の映像、罪のない民間人、とりわけ子供を死なせた罪の意識にさいなまれる主人公の葛藤、「死んだ子供のことより自分の子供を考えてほしい」と激昂する妻……。
アフガンのデンマーク軍兵士は、3人の俳優以外全て元軍人たちが演じリアリティーを追求したという本作。ひりひりとした痛みを伴う映像が連打される予告編が、決して遠い国の話ではない戦争の悲劇を物語っている。(編集部・石井百合子)
映画『ある戦争』は10月8日より新宿シネマカリテほか全国順次公開