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『007』サム・メンデス、監督は孤独

第73回ベネチア国際映画祭

どこまでも謙虚なサム・メンデス監督
どこまでも謙虚なサム・メンデス監督 - (c) la Biennale di Venezia - Foto ASAC

 第73回ベネチア国際映画祭の審査員による記者会見が現地時間8月31日に行われ、コンペティション部門の審査員長を務めている『007』シリーズなどのサム・メンデス監督が登壇し、「映画監督は孤独な仕事」などと語る一幕があった。

【写真】ずらり!今年のコンペ審査員たち

 メンデス監督は「コンペ部門に出品されている全20作品は、僕からしたらすでにどれも勝者だと思う」と謙虚さを見せつつ、映画を観る際に「映画についてソーシャルメディアや評論などで書かれたホワイトノイズをシャットアウトするのは難しい」と語り、映画を鑑賞する際にはできるだけ事前知識を入れないほうが良いとしていた。

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 そして、「監督業は孤独な職業。ピラミッドの頂点にいるけれども、何が好きかについて多くを語ったりしないからね」と監督業について本音もポロリ。「(審査員を務めることで)ほかの人たちと映画について語り合えるのが楽しみ。ここへ学びに来たんだ。また学生になる機会をもらえてうれしいよ」と期待に胸を膨らませた。

 また、同記者会見では、映画祭開幕目前の8月24日にイタリア中部地震が発生したことを受けて、毎年恒例のオープニングセレモニーのパーティー「ガラ・ディナー」が中止されたことや、世界でテロへの警戒が高まる中、その対策としてどれほどセキュリティー面を考慮しているかなどについての質問も飛び交った。

 メンデス監督率いるコンペティション部門の審査員メンバーには、ルー・リードの妻としても知られるアーティスト、ローリー・アンダーソン、『007/慰めの報酬』などのイギリス人女優ジェマ・アータートン、『少林サッカー』などの中国のトップ女優ヴィッキー・チャオらが名を連ねている。

 なお、今年のコンペティション部門に日本映画は選ばれなかったものの、石川慶監督が長編映画デビュー作として、直木賞候補作のミステリー小説を妻夫木聡満島ひかりの共演で実写映画化した『愚行録』がオリゾンティ部門、奥浩哉の人気SFコミックが原作のフル3DCGアニメーション映画『GANTZ:O』がアウト・オブ・コンペティション部門に出品されている。『GANTZ:O』の総監督は『TIGER & BUNNY』『聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY』などのさとうけいいち、監督は『エクスマキナ』などでCGディレクターを務めてきた川村泰が務めている。(編集部・石神恵美子)

第73回ベネチア国際映画祭は現地時間9月10日まで開催

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