大ヒット『君の名は。』ヒロインの声は誰?あのシンデレラガール!
宮崎駿や細田守に続く、次世代のアニメーション監督として注目を浴びる新海誠の新作『君の名は。』。8月26日の公開から3日で興行収入12億円を突破し、大ヒット中の本作の声のキャストには、神木隆之介、長澤まさみ、市原悦子といった実力派俳優陣がそろう中、ヒロインに声をあてたのは若手女優の上白石萌音。彼女の女優としての活躍とその魅力を探る。
1998年生まれ、18歳の上白石は、長澤や沢口靖子、水野真紀を輩出した「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞し、2011年に女優デビュー。2014年公開の周防正行監督作『舞妓はレディ』では、800名を超えるオーディションを突破して主役に抜てきされ、同作で第38回日本アカデミー賞の新人俳優賞を獲得するなど、女優として順調な滑り出しを見せた。
今年は、広瀬すず主演『ちはやふる』や小松菜奈と菅田将暉がW主演を務める『溺れるナイフ』などに出演、注目の若手が集まる中、存在感を見せつける。上白石の魅力は、透明感と凛とした美しさ。10代でありながら、落ち着いた雰囲気をまといつつ、思春期の危うさも表現できる、今後に期待せざるを得ない女優の一人だ。
ミュージカル「赤毛のアン」で主人公を演じ、今秋には歌手デビューも控えており、歌唱力と声質は折り紙つきの上白石。だが、声優としては細田監督の『おおかみこどもの雨と雪』に出演経験があるものの、ヒロイン級の役どころは今回が初めて。キャスティングについて、新海監督は「何百人会ったとしてもきっと彼女だっただろう」という確信を持ったことを明かしている。
『君の名は。』は男子高校生・瀧(神木)と田舎町の女子高校生・三葉(上白石)の心が入れ替わることから始まる。上白石は異性になりきっての演技にも挑戦。難しい役どころだが、表現力は『千と千尋の神隠し』『サマーウォーズ』『借りぐらしのアリエッティ』など、数々のヒット作に出演しており、声優としての実力も定評のある神木に全く引けを取らない。映画が大ヒットしているだけに、上白石の今後の躍進にも期待がかかる。
本作の舞台は1000年に1度のすい星来訪が、1か月後に迫る日本。山々に囲まれた田舎町に住む三葉は、都会への強い憧れを抱いていた。ある日彼女は自分が都会に暮らしている少年になった夢を見る。一方、東京在住の男子高校生・瀧も自分が田舎町に生活する少女になった夢を見ていた。やがて、その奇妙な夢を通じて彼らは引き合うようになっていくが……。(編集部・小山美咲)