ハーレイ・クイン登場はまさにスター誕生!元軍人監督も魅力にノックアウト
減刑のため危険なミッションに挑む人気コミックの悪役たちの活躍を描いた、『スーサイド・スクワッド』を手掛けたデヴィッド・エアー監督が、本作に登場する悪役たちについて語った。
元軍人の経歴を持ち、『フューリー』『サボタージュ』など戦いに身を投じる男たちの姿を、精密な軍事描写で描いてきたエアー監督。だが、はみ出し軍人たちの戦いを描く傑作戦争映画『特攻大作戦』のアメコミ版ともいうべき設定の本作では、男性だけでなく女性陣も大活躍。エアー監督も「その通り、今回は間違いなく女性陣がかなりの原動力になっているね」と語る。
その中でも注目を浴びているのが、マーゴット・ロビーふんするジョーカーの恋人ハーレイ・クインだ。エアー監督自身、ハーレイは一番お気に入りのキャラクターだといい、「この企画に乗った理由のひとつが彼女だった」と断言するほど。「一人の人間の中に、正反対の要素をあまりにも多く抱えている女性なんだ。とてもパワフルだけど弱点もある。それこそ、僕らのようにね」と語ると、ハーレイを演じたマーゴットについて「スターが誕生した、としか言いようがないよ」と絶賛した。
そんなエアー監督にとって最も偉大な監督の一人は黒澤明。「『用心棒』は、僕がこの映画の参考にした作品の一つだ。それと少し、1970年代の映画を彷彿させる作りにもなっている。『狼たちの午後』みたいなね」と明かすと、「『スーサイド・スクワッド』の悪役たちは、自分たちが悪者だということを知らない。人生で悪い選択をして、お前は悪いやつだと言われ続けてきた連中なんだ。幸せになりたい、家族が欲しいけど、悪い人間と言われるから手に入れられない。この映画はそんな彼らのハートが描かれているんだよ」と明かす。
そんな本作には、ウィル・スミスをはじめジャレッド・レトーなど数多くのキャストが出演。「大勢キャストがいる方が好きなんだ。家族を作るみたいでね」というエアー監督は、「僕らは、自分たちの人生や過去についてたくさんの話をした。お互いに心を開けるように」と語ると、「そして、お互いを闘わせたんだ。そうすることで、そいつが本当はどういうやつなのか多くを学び、“役者っぽさ”を取り除ける」と衝撃発言。「すべての個人的な荷物……役者という荷物さえ乗り越えて、人間そのものを掘り下げれば、お互いを信頼することが出来る。一旦それが出来れば、そこから関係を積み上げていけばいいだけなんだよ」と演出の秘訣を語っていた。(編集部・入倉功一)