「GANTZ」原作者・奥浩哉、3DCGアニメ版に「僕の宝物です」
累計発行部数2,100万部を誇る大ヒットコミック「GANTZ」をフル3DCGアニメーションで再始動させた映画『GANTZ:O』が完成、「僕の宝物です」と語る原作者の奥浩哉にその心境を聞いた。
死んだはずの人間と謎の星人との壮絶な死闘を描き出したコミック「GANTZ」の中でも特に人気を誇る「大阪編」をフル3DCGアニメーション化させた本作には、「TIGER & BUNNY」のさとうけいいち総監督を筆頭に、実力派スタッフが集結。最新技術を駆使した革新的な映像世界が繰り広げられる。
「もう50回以上は観ています。観ていて気持ちがいいんで、何回もリピートしてしまうんです」という奥は、「3DCGアニメーションってある種の先入観があると思うんですけど、実際に観たら、今まで観たことがないような画面がずっと続くし、キャラクターもすごく魅力的。『GANTZ』を最初から読んでいなくても分かるようになっていますし、ぜひ先入観を取り去ってもらいたい」と熱のこもったコメント。「マンガ家として、ここまで高いクオリティーの作品を作ってもらえるなんて。僕は幸せ者ですよ。本当に宝物の作品ですね」と満足げな様子を見せた。
奥作品には、魅力的な女性キャラが登場するのが特徴。本作では、モーションキャプチャーと呼ばれる技術を使用し、実際の人間の動きを再現。レイカ、杏といったヒロインたちは、3DCGとは思えないほどにチャーミングで、魅力的な造形となっている。「髪だけでなく、胸もちゃんと自然に揺れていましたからね。スタッフはすごく僕のことを分かってくださっていて。本当にうれしいことですよ」としみじみ。
大阪で撮影されたハリウッド映画『ブラック・レイン』のように、大阪の街を背景としたアクションも印象的な本作。「『ブラック・レイン』は異世界のような感じで描いていたけど、『GANTZ:O』はそのままの道頓堀ですからね。道頓堀の後ろの方のイルミネーションが変わり続けているし、漢字がずっと流れているような映画ってなかなかないから、うれしかったですね」と笑顔。さらに劇中に出てくる看板の文字についても、原作を忠実に再現したということで、「うちのアシスタントもものすごく喜んでいました。そこのリスペクト具合もうれしかったですね」と付け加えた。(取材・文:壬生智裕)
『GANTZ:O』は10月14日より全国公開