死んだ双子の弟から謎のメッセージ…クリステン・スチュワート×アサイヤス監督新作 - ニューヨーク映画祭
第54回ニューヨーク映画祭の上映作『パーソナル・ショッパー(原題) / Personal Shopper』について、クリステン・スチュワートとオリヴィエ・アサイヤス監督が、10月6日(現地時間)リンカーンセンターのウォルターリード・シアター開催の記者会見で語った。
【写真】クリステン・スチュワート、使い古したスニーカーでレッドカーペットに登場!?
忙しいセレブの代わりにパリとロンドンを行き来して洋服やアクセサリーを買い付ける“パーソナル・ショッパー”のモーリーン(クリステン)が主人公。死んだ双子の弟ルイスから音による謎のメッセージを残された彼女は、ファッション業界の複雑な人間関係に触れていく中で、精神的な支えであった弟の霊と接触していく。映画『アクトレス ~女たちの舞台~』に続いて、クリステンはアサイヤス監督とタッグを組んだ。
クリステンとの再タッグについて「僕とクリステンは会話のないコミュニケーションを取っていて、それは僕らがタッグを組む上で必要不可欠で、機能していた。僕らはお互いが行う複雑な作業(演出と演技)を、頭で理解するのではなく、完全に自然、あるいは身体的な感覚で、その作業を進められた。それは、お互い反応しながら理解するという共通のアプローチができていたからだ。そしてクリステンとそんなアプローチができたのは、彼女が賢く、複雑な映画制作も把握していたからだ」とアサイヤス監督が称賛した。
超自然的なことも映画内で起きるが、どの程度脚本執筆中に、それをビジュアル化しているのか。「通常、僕は脚本執筆中にはビジュアルを思い浮かべることはない。事前に原作があるものより、ノートにアイデアを書き出しながら、ストーリーを構成し、それから2か月後にまた改稿するようなやり方をほとんどの作品で行ってきた。今作では、そんな(何も情報のない)ブランクページからモーリーンを登場させ、彼女に関してインスピレーションを働かせて、観客が驚くようなことを試してみてはどうかと考えたんだ」とアサイヤス監督が明かした。
映画内では携帯でのSMSのやり取りや監視カメラなどが描かれていて、今日のテクノロジーが反映されている。「モーリーンは、(仕事上)透明人間のような存在だけれど、人には気にしてほしい(見られていたい)と思っているの。それは誰もそうだと思うわ。わたしはSNSをやらないけれど、わたし自身も女優として、最終的には人々には見られていたいと思っているから」とクリステンなりの見解を語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)