織田裕二“踊るロス”状態だった…4年ぶり新作に『ボク妻』を選んだワケ
『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』から4年、織田裕二の最新主演映画『ボクの妻と結婚してください。』が完成。超ハマリ役となった『踊る』シリーズ終了後の第1作に本作を選んだ理由について、織田が語った。
「“踊るロス”状態だった」「ずーっと続いていた作品で思い入れもたっぷりあったので、次にやる映画ってやっぱり力が入るんです」という織田は「いろいろとお話をいただいたのですが、いまひとつピンとくるものがなくて……」と打ち明ける。そんなとき、『県庁の星』で組んだプロデューサーが持ち込んだ『ボクの妻と結婚してください。』の台本を読み、「やりたかったのはまさにこういう作品!」と即決する。
「『Can't Take My Eyes Off You(邦題:君の瞳に恋してる)』という洋楽があるじゃないですか。明るい曲調なのに、聴くとなぜか切なくなる。ハッピーなのに涙がつっと流れる印象があって、そういう作品をずっとやりたかったんです」と振り返った織田。その言葉通り本作は、余命宣告を受けた売れっ子放送作家・三村修治が、愛する妻にいつまでも笑顔でいてほしいと人生最後の企画を考える、笑って泣けるラブストーリーとなっている。
「修治は病が進行して髪の毛が抜け、妻に『あ、愛していた……』と言って息絶える……わけではありません。それを見た観客もずしんと重苦しい気持ちになり、なぜお金を払ってこんな思いをしなくちゃいかんのだろう? と思うような映画ではないんです。余命宣告された主人公が、残りの人生をいかに生きるかという前向きな物語です」。希望ある物語そのものが、“踊るロス”状態だった彼の心を動かしたようだ。
そして、そんな修治に正面から向き合う妻・彩子を演じた吉田羊も「確かに突拍子もない身勝手な思いつきのはずなのに、最後には納得させられてしまう。この夫婦関係ってすてきだし、それを織田さん演じる修治とわたしが演じる彩子で成立させられたらそれは素晴らしいこと。ぜひやりたいと思いました」と織田同様、やはりストーリー展開に惹かれたと明かした。そんな二人の共通する価値観は、映画のなかで長年連れ添った夫婦としての息の合った掛け合いにつながり、確かなリアリティーを生んでいる。(取材・文:浅見祥子)
映画『ボクの妻と結婚してください。』は11月5日より全国公開