ハリウッド版『攻殻機動隊』監督がヒロインの白人化に見解 スカヨハがファーストチョイス
映画『GHOST IN THE SHELL ゴースト・イン・ザ・シェル』のエクスクルーシブイベントが13日に都内で行われ、ルパート・サンダース監督が、スカーレット・ヨハンソンがアジア系のヒロイン・草薙素子を演じるという“白人化”に対する見解を示した。
本作は、アニメ化もされた士郎正宗のSFコミック「攻殻機動隊」のハリウッド版実写映画。脳以外は全身義体のアンドロイド・素子が率いるエリート警察組織・公安9課(通称・攻殻機動隊)。彼女たちが捜査するサイバーテロ組織による事件が、やがて少佐の脳に残された過去の記憶へつながり、自身の存在を揺るがす衝撃の展開へ発展していくさまが描かれる。
奇跡ともいえる実写化にファンは沸いたが、このキャスティングが一部で批判の的に。“白人化”とは、一般的に白人以外の人種の役を白人に置き換えることをいい、『オデッセイ』『エクソダス:神と王』といった作品も批判を受けた。これについてサンダース監督は、「素子はアンドロイドで歴史上の人物ではないから、この人種でなければダメということはないと思う」とコメント。さらに、「グローバルな観客に向けた作品」であり、「類まれな魅力ある役者」として最初からスカーレットを想定しており、日本人などの起用は考えていなかったことも明かした。
加えて、公安9課の創設者で課長の荒巻大輔役のビートたけしに関しても、スカーレット同様に「荒巻はたけし以外頭になかった」と打ち明け、「世界中を追いかけてやっとつかまえたよ」と“世界のキタノ”を俳優として迎え入れられたことを喜んだ。
「非常に人気が高く、世界中が支持している作品を扱えることは光栄だけど、プレッシャーも感じた」と語るサンダース監督は、これまで実写化不可能と言われてきた本作に挑むにあたり、「アニメの物語をただ線でたどって実写化するという簡単なものではないから、いろいろなことが挑戦だった」とも。しかし、「『攻殻機動隊』シリーズの根底に流れるテーマをセリフからではなく、感覚的に伝わる映画にしたかった」と明かし、「哲学的な原作だけど説教くさくならず、人間性やテクノロジーについて心に響くような映画にした」ときっぱり。渾身の“オリジナル作品”に胸を張った。(取材/錦怜那)
映画『GHOST IN THE SHELL ゴースト・イン・ザ・シェル』は2017年4月公開