小松菜奈、人類で一番きれい…新世代の天才女性監督・山戸結希が称賛
小松菜奈と菅田将暉が出演し、大ヒットを記録中の映画『溺れるナイフ』(全国公開中)のティーチインイベントが16日、シネマサンシャイン池袋で開催され、メガホンを取った山戸結希監督が観客の質問に答えた。
ヒリヒリとした10代の破滅的な恋を描いたジョージ朝倉の同名コミックを映画化した本作。メガホンを取った山戸監督は、これまで「若き天才」の呼び名をほしいままにしてきた20代。少女映画『おとぎ話みたい』ではインディーズ作品ながら、行定勲監督の『贅沢な骨』を13年ぶりに抜いてテアトル新宿の実写・レイトショー公開作品における1週目の動員記録・歴代1位を樹立。さらに東京女子流を主演に迎えた『5つ数えれば君の夢』では、監督最年少記録での渋谷・シネマライズ上映を果たし、ロングラン興行まで達成するなど数々の伝説を打ち出してきた。
10代の少女たちが抱える危うさや痛み、ときめきをストイックに、詩的に描きだす山戸作品には熱狂的なファンも多く、この日のチケットは完売。「眠れないほどに衝撃を受けた」「何度も観ました」「死ぬまで観続けます」「トークショーの開催が決定してから予約の時間を今か今かと待ち構えていた」など、観客からの声も非常に熱量が高く、それを聞いた山戸監督が思わず瞳を潤ませる一幕も見られた。
「10代の少女にどう寄り添っている?」という質問に対して山戸監督は、「わたしに映画を撮る才能があるのかどうかはわからないですが」と前置きしつつ、「映画の神様から絶対に血をもらっているなと思うのが、まだ原石みたいな女の子でも宝石みたいに撮れること。その人の人生で一番いい瞬間をもらえる力があります。それについては確信があって、この会場にいるどの女性も、小松菜奈ちゃんくらい魅力的に撮れます」と笑いながらコメント。
そんな山戸監督にとって、本作主演の小松は、「人類で一番きれいだと思った」というが、「10代の少女、女の子を撮るってそういう感じなんです。映画の神様が、なぜそれをわたしにパスしてくれたのか。その意味を考えながら、ちゃんと(この力を)使い切りたいと思います」と決意を語った。
舞台あいさつ終了後は、観客からの握手やサインなどに応じた山戸監督。それは劇場の外まで続くほどの長蛇の列となったが、閉館時間ギリギリまで観客との交流を深めていた。(取材・文:壬生智裕)