宮崎駿ファンのイケメン監督「女性キャラに共感する娘をみてハマった」
新作『ネオン・デーモン』プロモーションのため来日したニコラス・ウィンディング・レフン監督は宮崎駿フリークとしても有名だが、ファンになったきっかけと熱い思いを明かした。
宮崎駿監督に新たな長編作の構想があるというニュースを聞いたレフン監督は「世界にとって、ものすごくいいニュースだ!」と目を輝かせた。そもそも彼が駿作品に夢中になったのは、家族と一緒に観たからだったという。「僕には2人の娘がいるが、彼女たちが駿作品の女性キャラクターに激しく共感するのが、手にとるようにわかった。それ以来、宮崎作品の想像力と革新性にハマってしまった。アニメーションなのに実写作品の魅力も兼ね備えているよね」とレフンの熱弁は止まらない。
「宮崎さんにはまだ直接お会いしたことはないけど、お金はいっぱい使ったよ」と笑いながら話す通り、レフンの自宅には、スタジオジブリ作品のDVDやサントラのCD、キャラクターグッズなどが大量にあるという。もちろん今回の来日でも娘たちにお土産を買うのが「ミッション」になっているらしい。「彼女たちがすでに持っているグッズのリストを再確認して、新しいものを購入するつもり。娘たちの一番のお気に入りは、『天空の城ラピュタ』のペンダントなんだ。でも今回は、ジブリ作品の日本版オリジナルポスターを見つけたいと思ってる。彼女たちが大喜びする顔が今から目に浮かぶよ」とすっかり父親の顔になるレフンだった。
自身が撮りたい作品と、駿作品のつながりを「リアルな物語とスーパーナチュラル(非現実)な要素の融合」と感じているレフン監督。アニメーションを含め実写以外のスタイルにも興味はつきないようで、今回の来日でも大きな刺激を受けたという。「ゲームクリエイターの小島秀夫さんのスタジオを訪問したんだ。デジタル世界のものすごい広がりに感動したよ。小島さんも宮崎さんも、映像テクノロジーが一歩進化した世界で、底なしの可能性を追求していると思う。そう考えると実写映画には限界はあるよね」。
ということは、今後レフン監督がアニメーションを撮る可能性もあるのだろうか。それについて彼は「アニメの表現は大好きだけど、具体的なアイデアはない。チャンスという意味では、ゲームの世界の方が僕の未来を導くかもね」とほほ笑む。宮崎駿、小島秀夫という日本の才能に影響を受けたレフン製作のゲームが、もしかしたら将来完成するかもしれない。(取材・文:斉藤博昭)
映画『ネオン・デーモン』は2017年1月13日、TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国順次公開