大学進学せず俳優業一筋の覚悟を明かす、大河俳優・中川大志
NHK大河ドラマの豊臣秀頼役が好評を博した若手注目株の中川大志が、今春に高校卒業後は、「大学進学せず、この仕事一本に決めた」と覚悟を語った。
人気少女漫画家みきもと凜の原作を基に描いた、高校生の純愛映画『きょうのキラ君』で主人公のモテ男子にふんする中川。容姿端麗で学校中の女子が憧れる“キラ君”こと吉良ゆいじと、他人と関わることが苦手な“ニノ”こと岡村ニノン(飯豊まりえ)の切ない恋模様を胸キュン描写満載で描く。恋する二人のいちずな物語と同様に、中川は「中学2年で俳優は僕の天職だと気付き、それ以外の職業は考えなかった」ほど、演じることに対して真っ直ぐに向き合ってきた。
小学校4年生の時に街でスカウトされ芸能界入り。当時は「習い事が一つ増える感覚で撮影現場に行っていた」という。そして中学1年で初の連続ドラマ「家政婦のミタ」(11/NTV)で阿須田家の長男を演じたことが転機となる。「それまではセリフを覚えて言われた通りに動けばよかったけど、撮影現場で『あなたはどう演じたいのか?』と質問された時に、何も発信できなかったことが悔しかった。自分に与えられた仕事だから、自分でもっといろいろ考えて発信していいんだと気付けたことは大きかったです」と演じることへの意識が変わった瞬間を明かした。以降は「役づくり、役への向き合い方、撮影現場での過ごし方なども変わりました」と振り返った。
まだ18歳。可能性は無限だ。今後の展望について「賞を得たいとか、海外の映画祭へといった目標はたくさんあります」という意欲ある頼もしい発言をする一方で、「その前に一番は芝居の経験を積み、表現の幅を広げたい。基礎をしっかりと固めたい。初めて知ることがまだまだたくさんあるので、目の前のことを大事にしたい」と春に学生を卒業した後は、仕事一筋に打ち込む覚悟を語った。
そんな中川が本作で女子を惹(ひ)き付けるオーラは、意外なことに素ではなく「僕自身モテモテではないので想像がつきません!」と謙遜気味に語りつつ、「キラキラ、キュンキュンがド直球に描かれているので、そこをしっかりと魅せたい!」と役に臨み、監督と一緒にいかに観客をキュンとさせるか研究したという。活躍が期待される若手俳優がひしめく中、中川の俳優としての新たな一歩が始まろうとしている。(取材・文:南樹里)
映画『きょうのキラ君』は全国公開中