テレビ版「エクソシスト」主役、役作りは約10日
1973年に世界を震撼(しんかん)させたホラー映画の金字塔『エクソシスト』のテレビドラマ版について、主役のアルフォンソ・ヘレラが、12月7日(現地時間)ニューヨークのAOL開催のイベントで語った。
1971年に出版されたウィリアム・ピーター・ブラッティの小説「エクソシスト」を現代風にアレンジ。事故で体が不自由になった夫ヘンリー(アラン・ラック)や家族問題でストレスを抱えていたアンジェラ・ランス(ジーナ・デイヴィス)は、信仰心の強い女性だったが、生活までも脅かす悪夢に悩まされていた。そこで神父トーマス(アルフォンソ)と神父マーカス(ベン・ダニエルズ)に相談し、神父たちはランス家の悪魔ばらいに挑む。映画『ラザロ・エフェクト』の脚本家ジェレミー・スレイターがクリエイターを務めた。
メキシコのテレビ界でスターのアルフォンソが、本作にキャストされた経緯は「当時、僕が出演予定だったアメリカのドラマ『センス8』のテーブルリード(顔合わせの台本読み)がベルリンで行われ、そこでダンスリハーサルを女優ミゲル・アンヘル・シルベストレとしていたとき、エージェントからテレビ版『エクソシスト』の出演電話を受けた。そこからメキシコに戻らずに、『エクソシスト』の舞台のシカゴに行きパイロット番組を撮った。あの時はかなりの緊張感があった。なぜなら僕はベルリンに居たときから、集中して神父トーマスというキャラクターを10日ほどで作り上げたが、さらに理解する必要があったから」と振り返った。
役柄のリサーチについて「実際にカトリック教会の神父たちと、悪魔ばらいについて話すことは難しかった。そのため、神父トーマスの背景やどのような人物なのかを理解するための手段は、唯一、今作のパイロット番組を監督したルパート・ワイアット、脚本の執筆過程にも深く関わった製作者ロリン・ジョーンズ、そして実際に脚本も執筆していたクリエイターのジェレミーとの会話で、それがこのような結果をもたらした」とチーム作業であったことを語った。
最も緊張したシーンは「神父トーマスが、教会の集会で皆の前でスピーチをするシーンだ。教会全体が人で埋まってはいなかったが、多くの人が聞いている設定で大演説をするため、とても神経質になった。エキストラ出演していた集会の聴衆が、主役の僕がどれだけ演技ができるかを見ていたため、心を落ち着かせて、平穏なメッセージを彼らに伝えることを意識した」と語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)