『セッション』監督の新作ミュージカル『ラ・ラ・ランド』1館当たり興収で今年最大のヒット!
全米ボックスオフィス考
先週末(12月9日~12月11日)の全米ボックスオフィスランキングが発表され、デイミアン・チャゼル監督のミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』がわずか5館での限定公開ながら興行収入88万1,104ドル(約9,692万1,440円)を稼ぎ出し、15位にランクインする大ヒットとなった。1館当たりの興収は17万6,221ドル(約1,938万4,310円)で、これは2016年に公開された作品の中で最高の成績だ。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル110円計算)
鬼音楽教師と学生の狂気のレッスンを活写した『セッション』のチャゼル監督の新作は、とびきりロマンチックでコミカル、それでいて切ないミュージカル。本格的なジャズを演奏できる自分の店を持ちたいと願うセバスチャン(ライアン・ゴズリング)と女優志望のミア(エマ・ストーン)が出会って恋に落ち、互いを鼓舞して夢を追い続ける姿をかつてのミュージカル映画への愛を詰め込んで描いている。第74回ゴールデン・グローブ賞で最多7部門ノミネートを果たすなど、第89回アカデミー賞に向けた賞レースをけん引している。
歴代の1館当たりの興収ランキングでも、クリント・イーストウッド監督の『アメリカン・スナイパー』(2014)などを上回り10位にランクインする好成績。実写作品で『ラ・ラ・ランド』より上位にランクしているのは、ウェス・アンダーソン監督の『グランド・ブダペスト・ホテル』(2013)とケヴィン・スミス監督の『レッド・ステイト』(2011)という2作のみだ。今週末には200館まで、そしてクリスマスにかけてさらに拡大公開される。
また今回のランキングには、『ラ・ラ・ランド』のほかにも賞レースをにぎわせているトム・フォード監督の『ノクターナル・アニマルズ(原題) / Nocturnal Animals』やケイシー・アフレック主演の『マンチェスター・バイ・ザ・シー(原題) / Manchester by the Sea』がランクイン。『ノクターナル・アニマルズ(原題)』は16位から7位に、『マンチェスター・バイ・ザ・シー(原題)』は11位から8位にランクアップしている。
ディズニーのアニメーション映画『モアナと伝説の海』は興収1,853万3,804ドル(約20億3,871万8,440円)を上げ、3週連続で1位を記録した。
今週末は、シリーズ初のスピンオフ作品『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』や、ウィル・スミスと『プラダを着た悪魔』のデヴィッド・フランケル監督がタッグを組んだドラマ『素晴らしきかな、人生』などが公開される。(編集部・市川遥)
12月9日~12月11日の全米ボックスオフィスランキングは以下の通り。()は先週の順位。
1(1)『モアナと伝説の海』
2(初)『オフィス・クリスマス・パーティー(原題) / Office Christmas Party』
3(2)『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
4(3)『メッセージ』
5(5)『ドクター・ストレンジ』
6(4)『マリアンヌ』
7(16)『ノクターナル・アニマルズ(原題)』
8(11)『マンチェスター・バイ・ザ・シー(原題)』
9(6)『トロールズ(原題) / Trolls』
10(7)『ハクソー・リッジ(原題) / Hacksaw Ridge』