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2016年は菅田将暉イヤー!爆発的人気のワケは?

映画『溺れるナイフ』より
映画『溺れるナイフ』より - (C) ジョージ朝倉/講談社 (C) 2016「溺れるナイフ」製作委員会

 Hey! Say! JUMP中島裕翔と共演した『ピンクとグレー』(1月9日公開)に始まり、2016年に公開された主演&出演作が9本と多忙を極めた菅田将暉。この爆発的な人気の理由は何なのか? auのCM「三太郎」シリーズの“鬼ちゃん”役でお茶の間でも大人気となった彼の魅力を、2016年の映画&テレビドラマから改めて振り返ってみた。

【動画】金髪の菅田将暉、海中のラブシーン!

ラブシーンがうますぎる

 東京から引っ越してきた雑誌モデル・夏芽(小松菜奈)を夢中にさせる神主の息子・航ちゃんにふんしたラブストーリー『溺れるナイフ』(11月5日公開)は、菅田のセクシーな魅力を凝縮したと言っても過言ではない意欲作。夏芽とすれ違う時に見せる挑発的な表情をはじめ、頬についたジュースをなめる、強引にキスをするなど萌えるシーンの宝庫で、メロメロになった女子も少なくないはずだ。ちなみに、菅田は初めて恋愛映画の主演を務めるにあたり「家で壁ドンやあごクイの練習をしたのですが、まったく使うシーンがなかった」そう。福山雅治主演のテレビドラマ「ラヴソング」(4月~6月・フジテレビ系)では、シンガーソングライター志望のヒロイン(藤原さくら)に恋する幼なじみ・空一にふんし、こちらでもバックハグなど悶絶シーンを披露した。

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切れ長の瞳&スラリとしたモデル体形

 石原さとみと共演したテレビドラマ「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子」(10月~12月・日本テレビ系)では、女性ファッション誌の男性専属モデル、小説家として活躍するカリスマ大学生・幸人役に。小顔、スラリとした体形が映える役どころで、「読者投票によって選ばれたモデル」を演じるのに説得力十分。家柄、才能、容貌に恵まれた設定で、ともすれば漫画的なキャラクターになりそうなところを、小説家としては名を明かせないジレンマなど他者と共有できない孤独をそこはかとなく匂わせる自然体の演技でモノにした。『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)でも全身白の衣装に身を包んだサイバーテロリストの紫苑優輝(しえんゆうき)という漫画チックなキャラクターに挑み、中性的なルックス&クールなセリフまわしがミステリアスなキャラにハマっていた。

汚れ役はとことんハードに!

 バイオレンス映画『ディストラクション・ベイビーズ』(5月21日公開)で演じた男子高生・裕也は強者に弱く、弱者に強く出るビッグマウスといういわば汚れ役。強そうな相手を見つけてはケンカを売りまくる泰良(柳楽優弥)に圧倒されて行動を共にするも、常に泰良の後ろに隠れ、自ら殴り飛ばすのは女性ばかりというありさま。『溺れるナイフ』とはまた別のかたちで、無軌道に生きる若者の破壊的な衝動を演じ切った。『溺れる~』で共演したキャバ嬢役・小松菜奈との180度異なる絡みも必見だ。前髪を結んだ“お団子ヘア”も話題になった。

ポジションを完璧に把握する能力

 サスペンス映画『二重生活』(6月25日公開)で演じたのは、修士論文の題材として近所の既婚男性(長谷川博己)の尾行にのめり込む大学院生・珠(門脇麦)と同棲する恋人でゲームデザイナーの卓也。平穏だったはずの同棲生活が、恋人が別のオトナの男性に心を奪われ置いてきぼりにされていく青年の寂しさを抑えた演技で生々しく体現した。ドキュメンタリー出身の岸善幸監督はリハーサルや細かい説明をせず、脚本の解釈や芝居は演者に任せる演出法で相当ハードルは高かったようだが「だからあまり役を作りこんでいくという感覚がなく、かといってもちろん自分のままでもない不思議な感じで、楽しかったです」と振り返っている。朝井リョウの同名小説を演劇ユニット「ポツドール」を主宰する劇作家・映画監督の三浦大輔が映画化した『何者』(10月15日公開)では、就職活動戦線に挑むマイペースな光太郎を好演。佐藤健有村架純二階堂ふみ岡田将生山田孝之と今をときめく顔ぶれと共演しながら出過ぎず、埋没することのない絶妙な存在感を発揮。「みんなの“たけるん”(佐藤)よりモテる設定ですから。結構ドキドキしていました」と恐縮していた。

3枚目もキュート!

 此元和津也による人気漫画の実写化作品で、内海想(池松壮亮)と瀬戸小吉(菅田)の高校生2人組が放課後に河原で延々と他愛もないことをしゃべり続けるだけ、という驚くほどシンプルな(だけど芳醇な)コメディー『セトウツミ』(7月2日公開)。本作は、凸凹コンビを演じた池松とのコンビネーションが抜群! メガネをかけたクールな内海とは対照的な元サッカー部のお調子者・瀬戸は、学園きってのマドンナ・一期(中条あやみ)に片想いしている三枚目の役どころだが、静の池松、動の菅田とのオフビートな掛け合いは絶品で、「しゃべっているだけ」なのにくぎづけになる吸引力があるのはこの2人の相性&演技力だからこそ成立するもの。一期に全く相手にされていないことに気付かず、送るメールの文面を内海に相談するシーンなど、底抜けにノーテンキな人物像がいとおしい。

 2017年には4人組音楽グループGReeeeNの代表曲「キセキ」誕生秘話を映画化した青春ドラマ『キセキ -あの日のソビト-』(1月28日公開・ヒデ役)、古屋兎丸の漫画を実写化した学園コメディー『帝一の國』(4月29日公開・主人公の赤場役)、空知英秋の漫画に基づく『銀魂』(7月公開・志村役)、岩井俊二の傑作青春ドラマを「魔法少女まどか☆マギカ」シリーズの新房昭之が総監督を務めアニメ化した『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』(8月18日公開・典道の声)、歌人、映画監督、劇作家・寺山修司の長編小説を実写映画化した『あゝ、荒野』(公開時期未定)、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(1月8日放送開始・井伊直政役)など、新作が絶え間なく控えている。『キセキ -あの日のソビト-』のイベントで今年1年を漢字一文字で表した際に「出」と書いた色紙を出して「今年すごく表舞台に出させてもらったなという意味での“出る”と、いろんな人に出会えたという意味もあります」と実り多き一年と振り返っていた。(編集部・石井百合子)

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