マッツ・ミケルセン、肩の力を抜いた生き方のススメ
マーベル映画『ドクター・ストレンジ』で“永遠の命”を追い求める悪役カエシリウスにふんしたデンマーク人俳優マッツ・ミケルセンが来日してインタビューに応じ、時間や人生について思うところを語った。
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年を取るごとに時間がたつのはどんどん早くなっていくが、「仲間だね。それはこれからも止まらないよ」とマッツ。「9歳の小学生の頃、教室の席に座って『外で何かしたいな』と退屈していたときは、時間は全く進まない(笑)。でも51歳になって人生が終わる前にこれもしたい、あれもしたいと思うと、時間はどんどん過ぎていってしまう。そういうものだ」と実感を込めて語る。
それでも何もかもをやろうとは考えないようにしているという。「あまりそのことに集中しすぎると、窒息死してしまうよ。全ての瞬間を重要なものにしなくてはいけないとは思わない。少なくともいい時間を過ごそうと心掛けていれば、人生を生きることはきっと正しいものになるだろう。でもゆっくり座って外を眺め、何もしないのでも大丈夫。それもまたいいことなんだよ。全ての瞬間を重要なものにしようとして立ち止まるのをやめたら、人生を自分の手でダメにしてしまうと思うんだ」。
また、『ドクター・ストレンジ』のような大作は同時にさまざまな撮影が進行するためかなり忙しかったようだが「飲みに行く時間は常にある」ときっぱり。「(撮影中は)イングランドのウィンザーというところに滞在していたのだけど、すてきな小さな店があることを発見した。素晴らしい地元のバーだよ。時間があるときはそこへ出掛けて、古い友人たちに会った。地元の老人たちはとてもいい人たちで、僕が誰かも知らないから、ただ座ってスポーツについて話せたよ。本当によかった」と撮影中のプライベートも満喫していたと明かした。
演技力の高さはもちろん、ミステリアスかつセクシーな魅力で“北欧の至宝”とも称されるマッツだが、本人はとっても気さくで自然体。秘密を守るのは得意かとの問いには「ああ! 僕は大丈夫だと思うよ、うん。なぜなら、忘れてしまうから。人々が僕に彼らが興味深いと思う秘密を言ったとしても、僕はバカげた秘密と思うから覚えてられない。どうでもいいんだもん(笑)」とにっこり。
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』『ドクター・ストレンジ』と秘密主義で知られるスタジオの作品への参加が続いたが、作品の秘密を守ることも「そんなに難しくなかった」といい、「小規模なデンマーク映画だったら、たとえ秘密があったとしても誰も知りたがらない。誰も尋ねない。『映画はどう終わるの?』なんてね。みんな映画を観て驚きたいんだ。マーベル映画に出ることはそれとは違って、みんな全てを知りたがる。でも僕はもともと何もしゃべらないから(笑)、簡単だったよ」と振り返っていた。(編集部・市川遥)
映画『ドクター・ストレンジ』は公開中