広瀬すず、断り切れず始めた女優業…高校卒業に抱いた本音「自分で何かを決めたことがない」
映画『チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』で、大きな夢を叶えた女子高生を熱演した広瀬すず。女優として順風満帆に見えるが、この道に進んだのは断り切れなかったからだと明かす。「自分で何かを決めたことがない」とつぶやく広瀬が、高校卒業という人生の分岐点に立つ現在、抱く本音を語った。
本作は、2009年に福井県立福井商業高等学校のチアリーダー部JETSが全米のチアダンス大会で優勝したという実話をもとにした青春映画。JETSのメンバー・ひかりを演じた広瀬の幼少期の夢はなんと、1人暮らし! 保育園児のころから夢見ていたそうで「3人兄弟の末っ子ですが、両親は共働きで私は1歳から保育園へ入り、学校へ上がると学童へは通わず、そのまま小2でバスケを始めました。兄や姉が学校や部活から帰る夜の7時とか8時までは、学校以外は家で1人で過ごしていました。その時間が本当に好きで」と小さいころから独立心が強かったという。
そうして中学生のときに女優の仕事を始めたきっかけは、「断り切れなかったから」。ところが一度始めたら途中で辞めることは「自分の性格的にありえない」という負けず嫌いの性格が幸いし、映画への出演、デビュー2年目で連ドラ主演と、スター女優への階段を駆け上がったのは周知の通りだ。始まりはいやいやだったとしても、常に目の前のことに全力で取り組むうちに「いつしか『辞めたい』とか『嫌だな』という思いは消えていました。いまは演じることが楽しいし、好きなんです!」と瞳を輝かせる。
一方、プライベートでは高校を卒業したばかり。進学の予定はないが、「ずっといろいろな作品をやらせていただき、気づいたら卒業を迎えていた」ともいい、今後進学の可能性がまったくないわけではないようだ。同級生の姿にも刺激されたそうで、「私って自分で何かを決めたことがないんです。実はバスケも『人数が足りないから』と気づいたらチームに入れられ、中2で気づいたらこのお仕事を始めていた。だから、学校や地元の友達が自分で自分の人生の大きな決断をして頑張っている姿を見て、いいなあ、すごいなあって……」と自身に欠けた部分を自覚するのも隠さない。
そんな広瀬を、同じJETSのメンバーを演じた福原遥が「でも目の前にある仕事について、ひとつひとつの決断を誰よりきちんとしているなって思う」と評する。厳しいダンスレッスンを共に克服したメンバーの強い絆が見えるようだ。そんな福原もまた「プリキュアになりたい!」という幼いころからの夢をアニメ「キラキラ☆プリキュアアラモード」のキュアカスタード役で叶えたばかり。
「子どものころはイルカの飼育係になりたいと、のほほんと思っていました」という中条あやみや、震災を機に福島から東京へ移住し、たまたま見つけたオーディションをきっかけに女優を始めた富田望生と、JETSとして夢を叶える喜びを体現した彼女たち自身の夢へ至る道もまたそれぞれ。山崎紘菜は「私自身、まだ夢を追いかけているところで、目の前のことに必死になりながら手探りで進んでいる感覚。夢はどうしたら叶うか? まだまだわかりません」と言いながら真っ直ぐに前を見据える。そこにあるはずの彼女たちの未来は、どんなものであるだろう?(取材・文:浅見祥子、写真:高野広美)
映画『チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』は3月11日より全国公開