ライバルはなんばパークス!?橋本愛主演『パークス』プレミア - 第12回大阪アジアン映画祭
橋本愛主演の映画『PARKS パークス』が、このほど開催された第12回大阪アジアン映画祭のクロージング作品としてワールドプレミア上映され、瀬田なつき監督と松田広子プロデューサーが大阪・ABCホールで舞台あいさつを行った。
同作品は、東京・吉祥寺にある井の頭恩賜公園が今年5月に開園100周年を迎えることを記念して製作されたもの。50年前につくられたある曲を巡って、当時の若者たちと、今を生きる若者たちの人生が交錯する青春物語だ。主演の橋本がギター片手に歌声を、染谷将太はラップを、さらに永野芽郁、石橋静河らフレッシュな若手をそろえてオールロケ撮影が敢行された井の頭公園でのびのびとした演技を披露している。
松田プロデューサーは企画の成り立ちについて「元々は何かのミッションを成し遂げる若者たちの話にしようというところから始まりました」と話す。そして「池の中からレコードが出てくる」などのアイデアもあった中で、「上の世代にも通じる話にとオノ・ヨーコさんの名前が上がったりしているうちに、音楽を作る話にしようと発展しました。瀬田監督は音楽にも強いので、彼女の魅力を活かせる作品になったと思います」と説明した。
瀬田監督は、大政絢主演の映画『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』(2010)のほか、いきものがかりの「ラブソングはとまらないよ」やSKE48の「恋よりもDream」などのミュージック・ビデオも手掛けている。本作にもミュージシャンのトクマルシューゴが音楽監修として参加しており、シンガーソングライターの澤部渡や弦楽器奏者の高田漣、ロックバンド・シャムキャッツらも出演して、演奏シーンを盛り上げている。
瀬田監督は「たくさんの音楽を使用していますが、メインの曲は50年前に作られた音楽を現代によみがえらせたもの。最後はミュージカルっぽい展開もあるので、映画館で音と一緒に体感し、観終わったあとは口ずさんでスキップしてもらえたらうれしいです」と観客に語り掛けた。
「公園はみんなの場所であり、人それぞれにとっての公園があることを感じてほしい」という思いからタイトルを「パーク」ではなく複数形の「パークス」にしたという松田プロデューサー。「パークス」と言えば、大阪・なんばにある都市型複合施設「なんばパークス」を意味する大阪で、「あやかりたいです(笑)」と作品のアピールに勤しんでいた。(取材・文:中山治美)
映画『PARKS パークス』は4月22日よりテアトル新宿、4月29日より吉祥寺オデヲンほか全国順次公園